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2016 Fiscal Year Research-status Report

農業を維持するためのツーリズムの条件に関する研究

Research Project

Project/Area Number 16K02097
Research InstitutionKurume Institute of Technology

Principal Investigator

大森 洋子  久留米工業大学, 工学部, 教授 (30290828)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywords農家民宿 / 農村景観 / グリーンツーリズム / 有機栽培 / 食・泊・体験の分担
Outline of Annual Research Achievements

農村景観を維持するために、日本での農業を維持するためのツーリズムの条件を提案することを研究の目的としている。28年度はグリーンツーリズムの課題を関係者へのヒアリングと既存資料から明らかにする予定であったが、4月に発生した熊本地震により対象地域である阿蘇地方が被災したため、比較的被害が少なかった南小国町のみを対象に調査を実施した。具体的にはグリーンツーリズムを実践している農科の主婦の集まりである「農花の会」と南小国町役場、「阿蘇地域振興デザインセンター」にインタビューを実施し、早くから農家民宿を営んでいる「ごんべえ村」の建物の実測調査を実施し、た。結果は以下の通りである。
1)南小国町におけるグリーンツーリズム活動は、まだ町としての特別な支援はなく、全くの民間で行われている。またその活動も個人が農業の片手間で行うのでは継続が難しいことが分かった。「農花の会」では農業体験やイベントが定期的に行われているが、農家民宿に関しては、家族の協力無しには継続が困難である。自家製の有機野菜の料理は美味しくで客に好評であるが、農作業をしながら夕食を提供することは負担が大きい。成功している農家民宿は、本格的に家族で民宿経営に関わっている。今後は、食、泊、体験を農家で役割分担して協力しあう必要がある。
2)イタリアやフランスなどのグリーンツーリズム先進国では、農家民宿をへの改修に補助金が出される等制度が整っているが、日本の場合その様な制度はまだ整備されていない。市町村によっては支援をしているところもあるが、南小国町では支援はない。農業の維持のために、グリーンツーリズムを積極的に支援していく制度が必要である。
3)今後食への安全意識が高まれば、有機栽培などの特徴的な農業を営んでいる農家は、それに魅力を感じてやってくる都市民をリピーターにする潜在的能力を持っており、上手にPRすれば客が増えると考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

阿蘇地方の阿蘇市、南阿蘇村、南小国町を研究対象としていたが、28年4月に発生した熊本地震により対象地域が被災し、阿蘇市、南阿蘇村への交通手段もしばらくは絶たれた。被害の少なかった南小国町も3ヶ月ぐらいは迂回ルートでしかアクセスできず、緊急支援車両のみしか通れない状況であった。既存資料の収集を行い、28年度後半に南小国町の現地調査を実施したが、阿蘇市と南阿蘇村の調査は「デザインセンター」へのインタビューのみで、農家民宿へのインタビューはできていない。29年度に挽回する予定である。

Strategy for Future Research Activity

平成29年度は以下の調査を行い、課題を分析する予定である。平成30年度は、前年度までの分析結果をまとめ、必要であれば現地補足調査を行い、農村景観を維持するための農業に貢献できるツーリズムの条件を提案する。
1)農業を維持するための課題を、昨年できなかった阿蘇市と南阿蘇村の農家や農協など関係団体へのインタビューにより把握。それと同時にグリーンツーリズムの課題を明らかにする
2)地域の文化的景観構成している構成要素を調査により把握し、それらを保全するにはどのような課題があるのかを分析。
3)日本人や訪日外国人の余暇の過ごした方や、グリーンツーリズムへの要望などを資料やインタビューにより把握し、イタリアやフランスの成功しているグリーンツーリズムと日本のグリーンツーリズムを比較し、農村景観を保全し、農業を維持するための課題を解決するツーリズムのあり方を考察する。
4)その上で、イタリアへ現地調査に行き、イタリアのアグリツーリズモを支援している組織に運営についてインタビューを行い、またアグリツーリズモを実践している農家数軒に

Causes of Carryover

熊本地震で調査対象地が被災し、計画していた阿蘇市と南阿蘇村の現地調査ができなかった。そのため、使用予定であった旅費が未消化で、残金が出ている。

Expenditure Plan for Carryover Budget

29年度は昨年度実施できなかった阿蘇市と南阿蘇村の現地調査も行う予定である。その上で比較・参考とするための今年度予定しているイタリアのアグリツーリズモの現地調査及び国内のグリーンツリーズム先進地域のインタビュー調査も実施予定である。以上の旅費に予算の大部分を使用し、また、分析に必要なパソコンとソフトウェアを購入予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2016 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results,  Acknowledgement Compliant: 1 results) Presentation (1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] 地域活性化を目指した着地型観光の取組に関する研究 -福岡県八女市における事例報告-2016

    • Author(s)
      大森洋子
    • Journal Title

      久留米工業大学研究報告

      Volume: No. 39 Pages: 27-34

    • Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
  • [Presentation] 八女市の着地型観光の取り組みに関する研究2016

    • Author(s)
      大森洋子
    • Organizer
      日本建築学会大会
    • Place of Presentation
      福岡大学
    • Year and Date
      2016-08-24
  • [Remarks] 2016 久留米工業大学研究報告 No.39

    • URL

      http://www.kurume-it.ac.jp/AMC/dl/library/kurumeko39.pdf

URL: 

Published: 2018-01-16  

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