2016 Fiscal Year Research-status Report
消費者の親和性が旅行先選択に与える役割と影響―口コミサイトの分析を通して―
Project/Area Number |
16K02102
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Research Institution | Osaka Seikei College |
Principal Investigator |
金 志善 大阪成蹊短期大学, 観光学科, 准教授 (30734909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小長谷 一之 大阪市立大学, 大学院創造都市研究科, 教授 (50225463)
国枝 よしみ 大阪成蹊短期大学, 観光学科, 教授 (60465870)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 消費者行動 / 消費者の親和性 / 自国民族意識 / マーケティング / 知覚リスク / 口コミ / オンラインによる選択行動 / 感情・態度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、オンラインによる旅行先の選択行動に際し「消費者の親和性」が、知覚リスク、自国民族意識とともに国内観光地等旅行先の選択行動に与える役割と影響を口コミサイトの分析から明らかにし、「消費者の親和性」を得る効果的なコミュニケーションの方略を開発することを目的としている。28年度は(1)消費者の親和性、オンラインによる選択行動、消費者の感情と態度、自国民族意識(ethnocentrism)といったテーマに主眼を置いた文献の研究(2)第1回目の調査では、訪日外国人が日本を訪問した際にどのような場面で満足しているのか、なぜその地域を選択しているのか等、人気の口コミサイトの分析から消費者ニーズを把握した。具体的には口コミ旅行サイト「トリップアドバイザー」の韓国語版から国内観光地等で好評な書き込みについて質的調査を行い、好ましい態度につながるキーワードの抽出と仮説の導出を行った。分析には計量テキスト分析の専用ソフトであるKH Coderを用いて一定期間の特定の地域に関する口コミテキストを収集し分析を行った。韓国人を対象に、韓国人の訪問率が高い九州の福岡県と北海道を抽出場所とした。この研究成果は東北亜国際観光学会(TINA)において発表する。 次に韓国人の旅行先選択に際し、先行研究の尺度を用いて「消費者の親和性」が、知覚リスクと自国民族性の意識度がどのように関わっているか、その構造を明らかにするため、質問票を作成した。この質問紙調査は夏から秋にかけて実施する計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
28年度は、当初の計画どおり消費者行動に関わる先行研究のレビューをそれぞれ進め、順調に推移した。第1回目の調査では、旅行先に関する韓国語の口コミサイトから、サイトの利用者が日本の観光地に対してどのような興味を示しているのか、そのニーズや知覚、態度に関わるキーワードを質的調査によって明らかにした。なお、仮設に基づいて質問票を作成した。調査に先立ち、台湾人を対象に事前調査を行う予定である。その結果を踏まえ、韓国人を対象にする調査に着手する予定である。従って28年度は、概ね順調に計画が進められたといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の成果を踏まえて、韓国人観光客を対象に定量的調査を展開していく。「消費者の親和性」が、知覚リスクと自国民族性の意識度にどのように関わっているか、どのように旅行先選択に影響するかを検証・分析し、論文にまとめ公表する予定である。
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Causes of Carryover |
28年度は文献研究と質的調査を中心に実施したため未執行となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
29年度は台湾人(事前調査)と韓国人を対象に質問紙調査を行う予定である。それに伴うマーケティングリサーチ会社モニター費用、海外調査・国際学会発表などの旅費を見込んでいる。
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