2019 Fiscal Year Research-status Report
「経学史」の成立とその歴史的展開に関する研究―湖南経学と日本中国思想研究の邂逅
Project/Area Number |
16K02154
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
井澤 耕一 茨城大学, 人文社会科学部, 教授 (00455908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 昭典 奈良教育大学, 国語教育講座, 教授 (20379522)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 儒教 / 清朝経学史 / 民国経学史 / 劉師培 / 夏曾佑 / 皮錫瑞 / 馬宗霍 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、20世紀前期、中国や日本で成立したいわゆる「経学史」の歴史的、地理的展開について、従前の史書を実証的かつ批判的に検証して、新たな「経学史」の構築を図るものである。そのため1936年に刊行された、湖南の経学者、馬宗霍『中国経学史』を訳出して、当時の湖南経学の実相を明らかにするとともに、湖南経学が同時代の日本の中国研究に与えた影響についても考察する。4年目にあたる2019年度の研究成果は以下の通りである。 ①20世紀初頭以降の学者である夏曽佑、劉師培、馬宗霍の経学史観を究明する作業を進めた。代表者は、前年度に引き続き、劉師培『中国歴史教科書』、夏曽佑『最新中学教科書 中国歴史』の訳注稿を作成し、その一部を『茨城大学人文社会科学部 人文コミュニケーション学論集』にて発表した。また研究代表者・分担者は馬宗霍『中国経学史』について考察と訳注稿作成も進めており、その成果は以後『奈良教育大学国文』誌上にて発表予定である。 ②上記の訳注作成を行う際、その過程で明らかになった問題点や課題を解決・整理するため、奈良教育大学橋本研究室において、6月2日、研究会を開催した。その際、研究代表者・分担者が、作成した論考について議論を重ね、改訂作業を行った。またその後訳注の草稿をメールにてやり取りし推敲を重ねた。 ③代表者および分担者は、清末期の経学者、皮錫瑞についての論考「従『経学歴史』的創作過程看皮錫瑞的経学史観 :手稿本和通行本的比較」(中国語)を書き上げ、それを清華大学・彭林教授主編『中国経学』(広西師範大学出版社)に投稿。審査の結果2020年6月発刊予定の第26輯に掲載が決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度末に予定した湖南省内における史跡調査が、新型コロナウィルス感染症の世界的流行により中止のやむなきに至ったため、上記のように評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、年度末までに、前年度実施できなかった湖南省における史跡調査を必ず行い、その成果も学会等で発表する。
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Causes of Carryover |
2019年度末に実施予定だった湖南省における史跡調査が、新型コロナウィルス感染症の世界的流行のため不可能となった。よって2020年度末までに湖南省長沙市及びその周辺を訪れ、清末から民国期にかけての経学史研究に係る史跡の現状調査をする予定。
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Research Products
(5 results)