2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K02159
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
山田 俊 熊本県立大学, 文学部, 教授 (30240021)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 金朝道家道教 / 李霖『道德真經取善集』 / 李畋『道德經疏』 / 金朝道敎「眞元派」 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、金朝道家道教史年譜の作成を進め、6割程の完成を見た。本年譜は平成29年度内の完成を予定している。これにより金朝道教史の見通しが明らかになることが期待される。 平成28年度中に発表した本科研費と関係のある論文は以下の通りである。「金朝道家道敎思想史研究之總括以及其再考―以時雍『道德眞經全解』爲例―」(蓋建民主編『回顧與展望:青城山道敎學術研究前沿問題國際論壇文集』所収。四川:巴蜀書社。276-291頁。平成28年8月)、本論により金朝道教史再考の意義と重要性を論じた。「金朝『道徳經』注釈資料としての『道徳眞經取善集』について」(『熊本県立大学大学院文学研究科論集』第9号。1頁-22頁。平成28年9月)、「李霖:《道德真經取善集》思想初探」(『正學』第4輯。平成28年)、この二論文により、金朝の『道德經』注釈資料としての『取善集』の意義を検討し、その思想を解明することが出来た。その成果は、口頭発表「李畋:《道德經疏》初探」に生かされ、現在執筆中の「寇才質『道德眞經四子古道集解』について」にも生かされている。 平成28年度中に行った本科研費と関係のある口頭発表は以下の通りである。「注釈資料から見る金朝道家・道教思想」(「應用科擧史學研究會第16回研究集會」平成28年9月。於東北大学)。「所謂金朝道敎「眞元派」に就いて」(「第17回遼金西夏史研究会大会」平成29年年3月。於皇學館大学)、本報告は、従来、金朝道派と見做されてきた「眞元派」の存在に再考を迫ったもので、その成果は論文「金朝道教『眞元派』小考」として平成29年度中に公表の予定である。「李畋:《道德經疏》初探」(“老子与道教文化”国際論壇。平成29年3月。於中国安徽省)、本論は、平成29年度中に中国の機関紙で公開の予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
「年譜」の作成が計画以上の速度で進展したことと、学会報告の機会を二度えることが出来、論文も三本を公表することが出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は「年譜」の粗方の完成を目指す。平成28年度に口頭報告した「李畋:《道德經疏》初探」を修正の上、平成29年度内に中国の学会誌『道教学刊』第三輯に発表する。又、平成29年度5月に湖北省武当山で開催される「第四回国際道教論壇」に於いて、「《淵源道妙洞真繼篇》的養生思想以及中醫文獻」と題した口頭報告を行い、同題論文を公開する。又、平成28年度に行った「眞元派」に関する論文を学内の紀要で報告する予定であり、別稿「寇才質『道德眞經四子古道集解』について」を完成させる。これらは個別研究ではあるが、何れも相互に密接に関わるものであり、それらを最終平成30年度での総括につなげる。
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Causes of Carryover |
平成28年度は5月に中国での国際学会が予定されていたが、熊本地震の後の授業日数確保のため、参加を断念した。本来学会参加のために予定されていた旅費、及び調査費、資料収集費等が平成28年度では消化されないことになり、平成29年度に繰り越されることになる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度には三年に一度の中国での国際大会が予定通り開催されることになり、そのための旅費、及び調査費として繰越金を使用することになる。更に、当初予定されていなかった国内外の学会参加も新たに予定されており、平成29,30年度に於いて旅費等で使用する予定である。
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