2018 Fiscal Year Annual Research Report
Acculturation of the manuscript culture in Nepalese Buddhist Sanskrit codices
Project/Area Number |
16K02171
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Research Institution | Taisho University |
Principal Investigator |
倉西 憲一 大正大学, 仏教学部, 非常勤講師 (90573709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SHAKYA Sudan 種智院大学, 人文学部, 准教授(移行) (60447117)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ネパール仏教写本 / 自加持 / 研究ノート / ホジソンコレクション / アムリターナンダ |
Outline of Annual Research Achievements |
当該科研の作業として、研究代表者である倉西憲一は11世紀頃の写本文化を、研究分担者であるスダン・シャキャは近代、19世紀の写本文化と二つ異なる時代に見られるネパール仏教写本の文化の諸相について考察研究した。これらそれぞれの作業および研究成果の詳細は以下の通りである。 ①研究代表者である倉西憲一は、11世紀頃に書写されたネパール仏教写本、特に一つのトピック(密教教理:自加持など)に基づいて、様々な文献から同じ筆写者がトピックに関わる箇所を抜粋し、研究ノートのような写本について研究した。これは、当時の仏教学僧(ネパール)がどのようにして、教理や実践を学んでいたのかについて垣間見られる。こうした学僧たちによる特殊な写本文化について研究を進めた。その研究の中で、これまで全く存在が知られていなかったインド後期密教・実践法に関わる文献(グフヤサマージャタントラ解釈流派・聖者流の文献の一つ)を同定し、その出自について研究発表した。その成果は近年出版予定である。 ②研究分担者であるスダン・シャキャは、イギリス国立図書館蔵のホジソンコレクションに基づいて、19世紀末のイギリス人ホジソンとネパール人アムリターナンダとの関係を研究した。特に、近代のネパール写本研究の端緒として位置づけられる彼らの関係は、ネパール写本文化を研究する上で重要な意味を持つ。また、シャキャ氏は、自国ネパールにおけるアムリターナンダの事績追跡などのフィールドワークもおこなった。これらの研究成果は順次発表の予定である。
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