2016 Fiscal Year Research-status Report
『スターナーンガ経』を中心とするジャイナ教戒律文献の総合的研究
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16K02174
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Research Institution | Miyakonojo National College of Technology |
Principal Investigator |
藤永 伸 都城工業高等専門学校, 一般科目文科, 教授 (70209071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀田 和義 大谷大学, 文学部, 非常勤講師 (90548687)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | スターナーンガ経 / ジャイナ / 教団戒律 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず本課題の中心的文献である『『スターナーンガ経』の電子テキストをジャンブヴィジャヤ師の編集にかかる刊行本を底本として経本文と共にニルユクティ、バーシャおよびアバヤデーヴァ作のサンスクリット注の三種類の註釈についても完成した。校正は二重のチェックを行い完璧を期し、体裁は底本と同じ頁割り、行配列とした。これによって、文献中に現れる単語の検索を容易かつ正確に行えるようになった。 また、内容の検討に関しては重要性にもかかわらず従来殆ど研究されなかったnidanaを採りあげ、その用例を、歴史的に前後する文献と比較することによって、『スターナーンガ経』の重要性およびジャイナ教文献での歴史的位置、つまり聖典ではかなり後期でありサンスクリット文献に接続することを確認した。また、本要語がジャイナ教の出家者および在家者の戒律に深く関わっていることを明らかにした。更に『スターナーンガ経』の綱要書としての役割も本要語の分析を通じて知ることが出来た。 更にこれまで行ったジャイナ教の教団戒律の研究成果および継続的研究を利用して、その発展過程の一部を理解することが出来た。特に『ヴィヤヴァハーラ経』との比較を行い出家者の戒律や違反行為に対する滅罪儀礼のあり方を研究した。経本文間の異同についても検討したが、異なる作者による二つのサンスクリット注を比較検討することにより、非聖典時代のジャイナ教の戒律に関する理解の相違を知ることが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に記した内容とほぼ同じ成果を挙げることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
本文の英訳を進め、重要要語の一覧表を訳語と共に作製する。また、他文献との比較を進める。
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Causes of Carryover |
物品の購入がやや足りなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
29年度に繰り越して使用する。
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Research Products
(2 results)