2018 Fiscal Year Annual Research Report
study of vinaya in Jainism
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16K02174
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Research Institution | Miyakonojo National College of Technology |
Principal Investigator |
藤永 伸 都城工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (70209071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀田 和義 岡山理科大学, 工学部, 准教授 (90548687)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ジャイナ教 / 戒律 / スターナーンガ経 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は最終年度として、『スターナーンガ経』と他の文献における戒律規程の比較検討を中心に行った。その結果、滅罪行の下位区分として従来は9ないし10が知られていたが、本経の記述によると、3,4,6,8,9および10の下位区分が有ることが判明した。これまで聖典期におけるジャイナ教の戒律において、同一の項目につき、この様に多くの区分方法が存在することは知られていなかった。この点を知り得たことは最終年度の研究の大きな成果である。しかし、この多様性が歴史的な変遷に基づくものか、地域的あるいは分派的な要素に依るものなのかは現時点では明確ではなく、今後の研究課題として記憶しておきたい。 さらに修行過程の一つとして挙げられる禅定の規程が後続する白衣派文献と強く結びついていることも明確になった。基本的に四種の禅定を挙げるが、その各々に更に四種ずつの下位区分を設けている点である。特に西暦7世紀のジナバドラの『禅定百偈』に見られる規程や12世紀のヘーマチャンドラの『行為論』における記述との類似性を明らかにすることが出来た。禅定に関して『スターナーンガ経』に先行するジャイナ教文献と関係は必ずしも、明確にはならなかったが、これらを何らかの形で発表したい。 また前年度までに行った『スターナーンガ経』本文およびアバヤデーヴァのサンスクリット注の電子テキストは今年度に適宜、修正及び補正を行い、デーヴァナーガリー版およびローマ字版で公開することとした。
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