2021 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on the Religious Alliance Movement between Oomoto, the Daoyuan-Red Swastika Society, and the Korean New Religious Organization Before World War II
Project/Area Number |
16K02189
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
佐々 充昭 立命館大学, 文学部, 教授 (50411137)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 大本教 / 道院・紅卍字会 / 出口王仁三郎 / 内田良平 / 林出賢次郎 / 尹徳栄 / 朝鮮道院 / 檀君教(大イ宗教) |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は研究の最終年度であるために、これまで収集してきた資料をもとに学会発表を行い、その研究成果を単著と論文にまとめた。 戦前期日本の代表的右翼・内田良平が大本教の宗教連合運動にどのように関わったのか研究を行い、論文(「大本教の皇道宣揚運動と人類愛善会朝鮮本部の設立-出口王仁三郎と内田良平との提携を中心に」)を公刊した。本論文では、内田が元一進会員を通じて築いた人脈と活動基盤を引き継ぐ形で、大本教-道院・紅卍字会による宗教連合体の朝鮮進出が行われた事実を明らかにした。 また昨年度の調査によって明らかとなった、林出賢次郎と道院・紅卍字会との関係について研究を進め、論文(「林出賢次郎の生涯-大本教と道院・紅卍字会との提携を仲介した外交官」)を公刊した。本論文を通じて、陸軍軍人・日野強の影響で大本教信者となった林出が、南京領事館勤務時代に大本教と道院・紅卍字会との提携を促した事実について明らかにした。 さらに、1935年朝鮮の京城に設立された朝鮮道院に関する研究を進め、学会報告を行った(「植民地朝鮮における道院・紅卍字会の設立-大本教と檀君教との関連を中心に」第72回朝鮮学会大会)。本報告を通じて、朝鮮貴族・尹徳栄による朝鮮道院設立の経緯と、特に檀君教(大イ宗教から分派した教団)の信徒が朝鮮道院に多数入会した事実について明らかにした。 その他、韓国の学会で、大イ宗教(檀君教)の創設者である羅喆と旧韓末に天道教を創設した孫秉煕に関する研究報告を行い(震檀学会2021年度秋季学術大会)、その成果を学術論文として公刊した。また、大イ宗教(檀君教)に関する単著を公刊した(『朝鮮近代における大イ宗教の創設:檀君教の復興と羅喆の生涯』明石書店)。本書を通じて、韓国における民族宗教研究の動向や、アジア主義思想、日本の国家神道と朝鮮新宗教教団との対抗的影響関係などについて論じた。
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Research Products
(6 results)