2019 Fiscal Year Annual Research Report
The concept of 'Place' in the thought of the church fathers
Project/Area Number |
16K02194
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Research Institution | Seinan Gakuin University |
Principal Investigator |
津田 謙治 西南学院大学, 国際文化学部, 教授 (00532079)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 教父学 / 場所論 / 宗教哲学 / 古代キリスト教思想 / 質料論 / キリスト教学 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度は、事前に提出した研究計画に沿うかたちで、以下の四点に関して研究を進めた。 1、「研究資料の収集」・・・ 今年度は、これまでの研究の総括に注力する予定であったが、海外で刊行の遅れていた資料や重要ではあるが入手困難であった資料などを集中的に収集し、これまでの研究に補完的な註解書や先行研究などを購入した。具体的には、新たに刊行された『ヘルメス文書』関係やオリゲネスの著作の註解書など、前年度の研究に関わるものなどを広く収集することができた。 2、「前年度の研究・学会発表の公表」・・・ 前年度は、前々年度に扱った『ヘルメス文書』やアレクサンドリアのクレメンスの議論に接続するかたちで、オリゲネスの資料をもとに本研究テーマである「場所」論について考察し、学会発表を行った。『ヘルメス文書』については、前年度に完成できなかった加筆修正を終わらせて紀要『国際文化論集』34号にて発表し、またオリゲネスの議論については、京都大学基督教学会の学会誌『基督教学研究』にて原稿を加筆修正して公刊した。 3、「研究・学会発表」・・・ 当初の実施計画においてはこれまでの研究成果を研究書として公刊する準備を進める予定であったが、これに並行して本研究の基盤となる教父学の伝統が日本においてどのように位置付けられ得るかを歴史的に捉え直し、この伝統を築き上げた有賀鐵太郎の教父学とキリスト教学理解を分析した成果を公開シンポジウム「リベラル・プロテスタンティズムと京大キリスト教学の伝統」において発表した。 4、「研究資料の分析と翻訳」・・・ 前年度に引き続き、本年度にかけて収集した資料を関連文献と照らし合わせながら分析し、一冊の学術書として刊行すべく、これまで扱ったテキストを再度翻訳し直し、断片的だった主題を一つの流れに収斂すべく議論をもう一度練り直した。
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