2016 Fiscal Year Research-status Report
東アジアから考える日本ナショナリズム論-戦争の記憶・表象の比較思想史研究として
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16K02210
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
樋口 浩造 愛知県立大学, 日本文化学部, 教授 (30243140)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 中国人強制連行 / ナショナリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
調査として、前年3月に河北省で、中国人強制連行被害者の聞き取りを二名に対して行った。また2017年3月に、南京では、虐殺記念館、民間記念館、利済巷の慰安婦記念館、福安里の元慰安所を調査・訪問し、上海では、上海師範大学の慰安婦記念館、大一サロンを初めとする元慰安所の建物の調査、抗戦記念館を調査訪問した。 国内では、秋田花岡の強制連行被害者の慰霊祭に参加するとともに、大府での強制連行被害者を支援する会とともに、追悼式やフィールドワークを行った。 これらをもとに、7月に「日本スペイン比較人文社会科学シンポジウム」で報告し、それを、「東アジア冷戦体制と日本―東アジアにおけるそれぞれの戦後から」というテーマで『愛知県立大学大学院国際文化研究論集第18号』2017年3月に論文としてまとめた。 また、この論文は、同時にスペイン語にも翻訳され、同論集に収められてもいる。(El Esquema de la Guerra Fria en Asia Oriental y Japon:las Respectivas Posguerras en los Paises de la Region) また、大府飛行場に関しても、論文をまとめる予定であったが、根拠となる資料の出典を確認できず、断念した。今後の地道な調査、資料発掘に期したいと思う。 また日中比較史としての1985年8月15日に着目する着想を得た。今後この日を起点とする日中関係への考察を深めていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
膨大な課題の中から、個別に断片的に作業を行っている。一つ一つの研究や調査が、上手く結びついていくかどうかが、今後の鍵となる。
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Strategy for Future Research Activity |
地元大府での地道な調査と、中国を初めとする東アジアでの現地調査を行いながら、 現代の思想的課題としてのナショナリズムへの考察を今後も深めていきたい。
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Causes of Carryover |
ぴったり、使い切れなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
決められた範囲内で、今年も執行していく。
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Research Products
(2 results)