乳井貢の基礎的研究ー「聖人の道」と藩政改革

2020 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 16K02213
• Research Institution: International Christian University
• Principal Investigator: 小島 康敬 国際基督教大学, 教養学部, 名誉教授 (70101590)
• Project Period (FY): 2016-04-01 – 2022-03-31
• Keywords: 乳井貢 / 志学幼弁 / 弘前藩 / 藩政改革 / 理学 / 心学 / 朱子学批判 / 津軽

Outline of Annual Research Achievements

2020年度は前年度に引き続き、乳井貢の主著である『志学幼弁』の巻1「君臣」「忠孝」「道法」「性命」「中庸」、巻2「名実」「事理」「公私」「仁義」「見識」、巻3「自然」「成敗」「時宜」「善悪」「勇怯」、巻4「金気」「法令」「武芸」、巻5「節用」「数道」、巻6「常変」「賞罰」、巻7「迷悟」、巻8「治道」「諫言」、巻9「曲直」「無為」「雑問」、巻10「礼楽」まで、全10巻の正確なテキストを作成すべく、院生達及び専門的な知識を有する人達の協力を仰いで、読み合わせ校訂作業を鋭意遂行してきた。
この作業は、新型コロナ蔓延の状況下にあって、Zoomを活用したオンライン読み合わせ検討会を定期的に実施して、行われた。
さらに、『志学幼弁』にお いて引用されている典籍の出典箇所を詳しく調査した。また読解する上での便宜の為に注釈作業を遂行してきた。 現在の進捗状況としては、巻1～巻10まで全巻の校訂をほぼ終了した。残された作業としては、それぞれの注釈部分の分量の調整及び重複箇所の再検討を加え、更に精度を上げるための精査が必要である。。
なお、公刊に向けて再度現地弘前を訪問して、史料や史跡の現地調査を計画していたのであるが、コロナ禍状況下にあって、それが遂行できなかった。延長期間が認められた2021年度において実施することを検討している。
また、資料集の公刊に向けて、凡例や解説文の執筆作業を進める必要があるが、その作業も2021度の完成に向けて実施する予定である。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

『志学幼弁』全10巻の校訂および注釈作業と典拠調査をほぼ終了した。注釈部分の分量及び重複を調整している段階にある。

Strategy for Future Research Activity

冊子形式の報告書を作成するか、CD版での報告書を作成するか、予算の関係で検討中である。

Causes of Carryover

コロナ禍状況下にあって、研究期間の延長が認められた為、公刊に向けての予算として保留しておいた為。