2017 Fiscal Year Research-status Report
日本とアジアの魂魄観についての比較思想史的研究-災気と人神の関係から考える-
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16K02222
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
佐藤 文子 佛教大学, 歴史学部, 非常勤講師 (80411122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮嶋 純子 関西大学, 東西学術研究所, 研究員 (80612621)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アジア文化 / 霊魂 / 疫神 / 宗廟祭祀 / 祖先信仰 / 神仏習合 / 人神 / 死者 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度は、前年度までの成果を基礎としつつ、中国・韓国・ベトナムおよび日本を中心にアジアの信仰における魂魄観の比較研究を進めた。韓国・ベトナム・日本においてはさらに史資料調査・現地寺廟調査をおこなった。今年度主眼としたベトナムについては、南部寺廟・史資料調査および北部寺廟・史資料調査を実施し調査データをもとに研究を深めた。 2月には公開研究会「アジアの信仰を考える」3を当該科研主催によって開催した。当該科研共同研究者はこれに全員参加し、佐藤文子が「アジア的観点から考える聖の原義と表象」・宮嶋純子が「ベトナム仏教調査報告-聖地安子山を中心に-」 ・池美玲が「江陵端午祭の仏教的要素に関する一考察」の発表を担当するとともにチベットの専門家である北海道大学スラブ研究センター高本康子氏を講演者として招聘した。研究集会では国内外からの多くの専門家の参加を得たことにあわせて、学外会議室使用・看板設置により公開性を高めることができた。今回はとくにこれまで連携が薄かった北アジア専門家と日本神道史研究者の参加が得られたことで研究交流の面においても未来につながる議論の機会となったといえる。 あわせて3月には宮嶋順子が国際シンポジウム「隋唐洛陽と東アジア」(中国中世史研究会・於京都大学)に登壇し当該科研の成果の一部を発表した。 本年度は調査研究の進捗だけでなく、公開や交流において成果があった。とくに比較文化学・文化人類学・宗教学・神道学・歴史学の連携を積極的におこない研究成果の拡大および事業効率化を図った。これを当該科研の最終研究成果へとつなげていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
国内外の複数分野の専門家との協力連携によって研究効率が向上し成果が拡大したため。
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Strategy for Future Research Activity |
2016年度と2017年度において得られた調査データ・研究成果および内外研究者とのあいだで構築された連携関係にもとづき、計画の一部を変更し北アジア地域の信仰についてのデータを補充する調査を実施したうえで、その成果を加味して最終成果を構築・公表していく。
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Causes of Carryover |
2017年度研究事業については、関係研究者との連携や情報共有化によって、事業の効率化を図ることができたため、順調に進捗しつつ次年度使用額が生じた。ここまでの研究成果を確認する過程で北アジア地域を比較の対象にするべきことが判明したので、共同研究者との打合せ会議を経て、計画の適正化をはかり、北アジアの調査および情報収集のために使用する計画である。
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Research Products
(17 results)