2018 Fiscal Year Research-status Report
接ぎ手を用いた体積計算機能と造形機能を有した組み木の開発
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16K02227
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
田中 隆充 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (20374861)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 接ぎ手 |
Outline of Annual Research Achievements |
体積を立体パズル(組木)で学ぶ際に必要な組み立ての難易度に関する実験を主軸に研究を進めた.どのような造形の形状が容易に理解できる、そして、組み立て作業のプロセスの効率を改善する能力に影響するかを知るための実験である.この実験を行うために、接ぎ手を用いた組木に幾何学的な造形で構成された組木、および曲面が含まれた造形で構成された組木、上述の2つが組み合わさった組木の3種類を制作し進めた。 実験では被験者の行動が記録され、統計的に分析された35人の被験者に対して行った。実験は2通り行い、最初の実験では、3種類の組木を組み立てる際の継続時間、エラー数、および組木を組み上げる際に思考する際に被験者が回転するアクションの数を比較して分析した。次の実験では、主に参加者の精神的な側面での行動の変化を各形状の特性を比較した。 その結果、組木に幾何学的または曲線的な特性を追加すると、視覚的な干渉と組み立て期間の両方を削減できることが分かった。 さらに、幾何学的形状はエラー率が低くなる一方、曲線形状の特性としては、組み立て時間の短縮と関連することが分かった. 上述の結果を整理すると、組み立て作業が精度を優先にした場合は、組み立てプロセスにおいてユーザーの組木の部品同士の空間認識に作用されると思われ、造形性を憂慮する必要がある。 また、組み立て作業のスピード性を優先する場合は、、ユーザーが組木への視界において接ぎ手部分の分かりやすい造形にする必要がある。 さらに重要なことは、組木をデザインする際は、形状の特性を容易にユーザーが認識できるような配慮が必要である。 また、ユーザーが組立時に感じる操作のストレスの負担を軽減するために、ユーザーの組木への空間的な変化や認識を可能な限り早く取り除くことも必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
体積計算をするために必要な接ぎ手を用いた組木の難易度の特性を造形面から実験を通して見いだせており、研究成果も論文等で順調に発表できている.
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Strategy for Future Research Activity |
ABS樹脂による立体物での実験だけではなく、スマートフォンのアプリケーションの拡張現実(AR)をも用いた場合の比較等を進める.
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Causes of Carryover |
予定していた国際会議での論文発表をとりやめたため、その発表を次年度に行うためである.
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Research Products
(7 results)