2019 Fiscal Year Annual Research Report
Research on Succession and Practice of Mischtechnik in East Asian Countries
Project/Area Number |
16K02230
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
仏山 輝美 筑波大学, 芸術系, 教授 (70315274)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北澤 茂夫 横浜美術大学, 美術学部, 教授 (10161473)
加藤 隆之 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (70572056)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | Mischtechnik / 混合技法 / 油彩画 |
Outline of Annual Research Achievements |
【最終年度の成果】 ウィーン、ベルリン、ライプツィヒのMischtechnik(ミッシュテクニック)を参照し我が国における同技法の現状を検証することを目的として、ウィーン美術アカデミーで絵画技術指導を担うWolfgang Marx氏およびベルリン在住の画家姫野慎二氏を招へいし、技法実践を通してMischtechnikに関する知識・技法を提供いただいた。ウィーン幻想派の画家ルドルフ・ハウズナーの助手を務めていたMarx氏が修得している同技法について学び、そのメカニズムを理解することによって、日本に継承されたMischtechnikの独自性ならびに両者の相違点を見出したいと考えた。また、ベルリンで活躍する姫野氏より、彼が実践するMischtechnikの技法材料に関する詳細な知識の提供を受け、あわせて現代のライプツィヒの画家が実践する同技法と作品に関する調査結果を報告いただいた。
【研究期間全体における研究成果】 本研究では、Mischtechnikが1980年代以降日本を拠点に東アジアに広がり西洋絵画教育の教材もしくは実践的な画法として定着していったのではないかという仮説のもと、調査を重ねてきた。しかし、現地調査ならびに関係者への取材の結果、アジア圏の他国において同技法を教材および実践的画法として活用している事例を収集することはできなかった。一方、極東の日本において同技法が継承され広く定着している事実は日洋の絵画史を結ぶユニークな現象として興味深い。また、Marx氏と姫野氏の協力のもと現代のウィーンおよびライプツィヒにおいて同技法を実践する画家を確認しており、今後は、我が国とドイツ語圏を対象にMischtechnikの継承と展開について個々の画家たちの処方と実践の詳細を調査し、同技法の系譜を明らかにすることを課題としたい。
|
Research Products
(6 results)