2020 Fiscal Year Annual Research Report
The Idea of "Common Sense" Revisited
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16K02232
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小田部 胤久 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (80211142)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 共通感官 / 自己感情 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、本来は2019年度に終了する予定であったが、2020年2月以降新型コロナの流行により、ソウル大学美学研究室との国際交流が行えなくなったため、2020年度に一部継続することとなった。 すでに研究のほとんどは2019年度で終了していたが、2020年度においては、2019年度に参加したファウスト・シンポジウムの活字化ならびに編集作業(7本の論文からなる英文論文集)を行った。この国際シンポジウムは、ゲーテの畢生の大作『ファウスト』それ自体を主題とするというよりは、一六世紀以来数多く出版された民衆本に淵源を持ち、ゲーテもまた幼少時に人形劇を通して親しんでいたファウスト伝説がゲーテの『ファウスト』公刊以後もいかにさまざまの仕方で民衆的想像力と結びついてきたのか、この点に焦点を当てるものであり、大きく(1)思想史・メディア史・美術史、(2)音楽文化論、(3)人形劇史という三つの分野からなり、国内から5名、外国(ドイツとチェコ)から2名を招聘して行われた。異分野の研究者が一堂に会したこのシンポジウムはゲーテの『ファウスト』それ自体に中心を置くファウスト研究とは一線を画しており、それを英文で公表できたことには研究の国際発信という点で独自の意義があるものと思われる。私自身も、2019年10月に発表したときの原稿に大幅な加筆修正を加えることができた。なお、これは、2019年度の研究成果のうちの第3番目にかかわる。 なお、2020年度には新たに科学研究費助成金を取得したため、その助成金による研究成果についてはここでは記さない。
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