2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study on Hero-Cults and Statuary Dedications in Ancient Greece
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16K02262
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
芳賀 京子 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (80421840)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ギリシア / 彫刻 / 英雄 / 肖像 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度前半には、これまで見ることができなかった作品を最終的にいくつか確認することができた。6月に滋賀県信楽市のMIHO MUSEUMにてブロンズ製の女性肖像と男性肖像頭部を調査した。また9月には、昨年度調査することができなかったウフィツィ美術館所蔵の《垢を掻く人》の大理石製コピーの3D計測をおこなった。その際、ウフィツィのコピーの修復状況と、ウィーンのエフェソス博物館所蔵の同作のブロンズ製コピーの修復の際、ウフィツィ像がベースとなったことなどを確認した。さらにナポリ国立考古学博物館の新たにオープンしたマグナ・グラエキア展示部門で、死者の英雄化を示すような葬祭美術や、テラコッタ製等身大による大規模な人物像の製の立像を、ローマのチェントラーレ・モンテマルティーニ博物館にてローマ共和政期の死者の像についても調査することができた。 6月にAphrodisias Workshopに参加し、ヘレニズム時代とローマ時代に肖像彫刻や君主の英雄化・神格化に重要な役割を果たしたロドスの彫刻家について再検討した。10月からミュンヘン古典美術石膏博物館の特別展で、研究成果の一部が公表された(当初は2020年7月までの予定だったが、コロナウィルスの影響で展覧会は中断された)。2020年5月にそれにあわせてミュンヘン大学考古学研究室で講演会を行う予定だったが、これは延期となった。2020年1月には、ギリシアの神域への奉納像について、「東大人文・熊野フォーラム」で発表した。なお2020年3月には東京大学で研究会を予定していたが、やはりコロナウィルスの影響で開催できず、オンラインでの意見交換などを行うにとどまった。 研究成果を利用し現在単著を執筆中であり、2021年に出版を予定している。
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