2018 Fiscal Year Research-status Report
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16K02319
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Research Institution | Tsuru University |
Principal Investigator |
志村 三代子 都留文科大学, 文学部, 准教授 (20409733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
名嘉山 リサ 和光大学, 表現学部, 准教授 (80455188)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 日米関係 / 冷戦 / 沖縄 / 日系 / 日米合作 / 戦争映画 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者の志村三代子は、「冷戦時代の「日米合作映画」 ―『東京暗黒街 竹の家』(1955)を中心に―」と題した研究発表(20世紀メディア研究所 第120回研究会、2018年7月21日)を行った。本発表は、カリフォルニア大学ロサンゼルス校所蔵の20世紀フォクス関連資料のなかの『東京暗黒街 竹の家』を取り上げ、一次資料にある20世紀フォックスの製作姿勢、当時のシノプシスと実際の映像の相違点を取り上げ、公開当時の日本で「国辱映画」と批判された本作の製作背景を辿った。さらに国際学会(International Academic Conference on Social Sciences 2018年12月19日)では、 “Acceptance of ballet in postwar Japan On Japanese films until the 1960s”と題した研究発表を舞踊研究者の川島京子氏(早稲田大学非常勤講師)と共同で行った。本発表では、戦後の日本映画に描かれたバレエの表象を通して、戦後民主主義の日本におけるバレエの受容が、いかなる役割を果たしてきたのかを分析するにあたって、『裸女の愁い』(1950)、『炎の氷河』(1957)、『勝利者』(1957)の三作品を取り上げ、それぞれの特徴を紹介した。研究分担者の名嘉山リサは、「幻の沖縄映画『太陽は撃てない』―宮城嗣吉、大映、米政府間での製作構想をめぐって―」と題した研究発表(2019年3月23日、第5回沖縄映画研究会研究発表会(於:沖縄県立芸術大学)を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者は、毎年の課題であった国際学会での発表を行い、分担者もワシントンDCの公文書館での定期的な資料調査の成果として、分担者が主催する沖縄映画研究会での報告を行い、書籍化に向けての資料調査が概ね完了したからである。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は本研究課題の最終年度にあたる。2018年度の口頭発表(「幻の沖縄映画『太陽は撃てない』―宮城嗣吉、大映、米政府間での製作構想をめぐって―」、「冷戦時代の「日米合作映画」 ―『東京暗黒街 竹の家』(1955)を中心に―」)の論文化を図るとともに、分担者の名嘉山リサ氏と書籍化に向けての目次作成、インタビュイーの著作権の確認、各章の執筆者依頼、英文論文の翻訳、序論の執筆を終えるとともに、1950年代の「日米合作」映画研究の継続課題の策定を行う。
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Causes of Carryover |
2018年度に実施したインタビュイーへの謝金が、少額であったため、繰越金が生じた。書籍化を目指す最終年度の2019年度は、翻訳等の費用が生じることから、繰越金で賄う予定である。
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