2021 Fiscal Year Research-status Report
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16K02319
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
志村 三代子 日本大学, 芸術学部, 教授 (20409733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
名嘉山 リサ 和光大学, 表現学部, 准教授 (80455188)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 映画 / 日米関係 / 表象 / 日系人 / 日米合作 / ハリウッド映画 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、占領期から1950年代に製作された「日米合作映画」の分析を通して、当時の日本とアメリカがいかなる相互関係にあったのか、とりわけアメリカ統治下の沖縄と日系人の問題に着目することによって、冷戦下のアメリカ政府が想定した東アジアにおける日本の役割を多面的に究明することである。さらに、「日米合作映画」の中に表れた日本人の映画スターの海外進出に注目し、その仔細を探ることで、占領期~1950年代の米国 政府が主導する冷戦下のハリウッド映画における効用及び日本のコンテンツ産業の源流を明らかにする。 これまで「日米合作映画」計18作品のうち映画『戦場よ永遠に』の関係者・比嘉松盛氏、子役として出演した仲地清氏(大阪大学特任教授)、『サヨナラ』の主演女優高美衣子氏(ラスベガス在住)のインタビューを報告書にまとめたが、2020度からの新型コロナウィルスの流行により、ワシントンD.Cの議会図書館・公文書館、Alfred M. Gray Research Center - The Marine Corps University、United States Marine Corps History Division、メリーランド大学(プランゲ文庫 )、ロサンゼルスのMargaret Herrick Library, UCLA図書館などでの現地調査が不可能であった。今年度の成果は、国内学会の発表1本にとどまったが、次年度は、アメリカの入国が可能となったこともあり、ワシントンD.Cの議会図書館・公文書館での調査を早急に実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルスの流行により、海外での現地調査ができなかったため。令和4度は最終年度にあたるため、ワシントンD.Cの議会図書館・公文書館を中心とした調査に専念したい。
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Strategy for Future Research Activity |
・論文の執筆:過去に国際学会(The International Symposium on Business and Social Sciences)で発表した「Representation of Hawaii in post war Japanese films」を論文として完成させる。 ・現地調査 ハワイ大学マノア校にて、ハワイで公開された1950年代の「日米合作」映画の興行成績と、現地ロケが行われた松竹製作の『パイナップル部隊』(1959年)の詳細について調査を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの流行により、予定していた国内・海外出張が不可能になったため。 次年度は、2023年1月5日から8日にハワイで開催されるThe IAFOR International Conference on Arts & Humanitiesに、日米合作映画『黒船』(1959年、ジョン・ヒューストン)に関する日米受容をテーマとした研究について研究分担者とともに応募する予定である。
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