2021 Fiscal Year Annual Research Report
Dance and Recording Technology: Replay and Restructure of Performing Arts in 20th Century
Project/Area Number |
16K02325
|
Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
岡田 万里子 桜美林大学, リベラルアーツ学群, 准教授 (60298198)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲田 奈緒美 桜美林大学, 芸術文化学群, 准教授 (70367100)
阿部 さとみ 武蔵野音楽大学, 音楽学部, 講師 (10811466)
平舘 ゆう 桜美林大学, 芸術文化学群, 助手 (40736518) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 舞踊 / ダンス / 記録技術 / レコード / テレビ / 日本舞踊 / バレエ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、伝統的な日本舞踊と西洋舞踊の実践における記録技術の利用とその影響を研究対象として、1945年から1970年までの事例を検証し、考察してきた。関西の日本舞踊研究者である研究代表者、日本舞踊研究者で評論も行い実演と近い研究分担者、西洋舞踊を専門とする研究分担者の、計3名の研究組織を最終的には構成し、日本舞踊全般や日本における西洋舞踊も範疇におさめ、記録技術との影響関係を論じてきた。 本研究では、「記録技術」と一括しているが、本研究課題が対象としてきた時代は、記録メディアが技術発展によって拡大してきた時代である。写真撮影による静止画に加え、録音や録画といった記録を個人で行うことが可能となった。「記録」という観点から、舞踊芸術を考察すると、日常の家庭における稽古から大きな劇場における公演までの多様な場において、また、稽古をはじめたばかりの初学者から玄人の舞踊家にまで、さらに、小品から大作まで、あらゆる事象に記録が影響を与えていることがわかった。「日本舞踊」が歌舞伎から独立し、「日本舞踊」というジャンルが形成される戦前期においても「記録」が果たした役割は大きく、またレコード舞踊が戦時中に拡大したことなど時代背景との関連も密接で、時代を遡って重要な課題もみえてきた。本研究組織では、定期的に研究会を開催して、これらの課題を討論してきたが、2020年度から新型コロナウィルスのパンデミックにより、研究会は中断せざるを得なかった。2021年度はかろうじて研究組織の活動を再開することができ、2022年2月には、記録によって復元したバレエ作品について検証し、「記録」の作成から受容や解釈といった経過を考察することができた。
|