2018 Fiscal Year Annual Research Report
The Comparative Theatre Study for the Definition of Butoh Performance
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16K02326
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小菅 隼人 慶應義塾大学, 理工学部(日吉), 教授 (40248993)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 舞踏 / シェイクスピア / 前衛芸術 / 大野一雄 / 土方巽 / 北方舞踏派 / マクベス / 東アジア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,歴史的および比較演劇的視点から,芸術様式としての舞踏に明確な定義を与えることにあった.その際,特に,舞踏の草創期である1960年代から発展期である1980年代までの日本のシェイクスピア作品を参照し,舞踏を日本の演劇風土の中において内面表現の特徴と外面表現の革新性を明らかにすることで舞踏の独自性を明確化しようとした. その際,具体的に三つの方法をとった.①〈舞踏の草創期に活躍した担い手たちから直接証言を得る〉については,中嶋夏,ビショップ山田,小林嵯峨,雪雄子,大野慶人,上杉満代の6人にいずれも3時間を超えるロングインタヴューを実施できた.②〈シェイクスピア上演を通じて舞踏の独自性を解明すること〉については,土方巽振付・劇団雲『マクベス』上演(1972)の調査報告,前衛演劇の文脈でシェイクスピア上演を続ける山の手事情社主宰・安田雅弘との対談による実態調査および公開,瀬戸宏『中国のシェイクスピア』の書評,東京におけるRSC公演『リチャード三世』(1993)の再考察と再公開,そして2018年8月には,マレーシア大学上級講師 Su Mei Kokとの国際共同研究「東南アジアにおける舞踏シェイクスピア」"Butoh Shakespeare in Southeast Asia" を開始した.なお,Su Mei Kok はマレーシアにおいて2019年度よりこのテーマで住友ファンデーションの助成を得ることが出来た.又,日本人身体と演劇との関連について,若手研究者の助力を得て,国際学会において包括的なアンケート調査も行った.③〈研究成果の公開〉について,期間全体を通じて,舞踏家への上記インタヴューと安田雅弘との対談に限って言えば6件,その他2件の学術誌掲載記事を公開することができた.2018年度は,共著書1件,論文3件,国際学会発表1件,国内学会発表1件を行った.
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