2018 Fiscal Year Research-status Report
能楽囃子太鼓方観世流に見る伝授と受容の諸相―『入門者摘録』(全2冊)研究
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16K02336
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
三浦 裕子 武蔵野大学, 文学部, 教授 (30646287)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 能楽 / 能 / 狂言 / 中世芸能 / 伝授 / 免状 / 太鼓 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題を推進している初代梅若実資料研究会の構成員は、平成29年度までは代表研究者=三浦裕子、連携研究者=土谷桃子、研究協力者=加賀谷真子・氣多恵子・小林責・高橋葉子・中司由起子・深澤希望・別府真理子の計9名であった。平成30年度より小林責(5月に逝去)と氣多恵子が外れ、全7名で研究を継続することになった。 平成30年度は能楽囃子太鼓観世家が所蔵する厖大な数の資料の調査を通じて、全容を解明するための準備を整えることとした。よって例年、調査を行っている虫干し時(平成30年度は8月11日・12日)だけでなく、平成31年3月26日・27日にも同家を訪れ、終日、資料の書誌情報(寸法、装丁、丁数、虫損ほかの状態)および内容などを調整した。また、ほぼ未整理の段階にあるこれらの資料を、伝書・ツケ・書状などに分類する方策を検討した。それと同時に、資料に用いられている封筒を中世紙に変える保存作業を行った。 研究集会を12月19日に武蔵野大学能楽資料センターで開催し、能楽囃子太鼓観世家蔵『入門者摘録』(全2冊)を翻刻する際の凡例について検討した。また、同資料の翻刻を含めた本研究課題の報告書の出版について、時期と構成などの検討を重ね、方針を定めた。 『入門者摘録』(全2冊)には能楽囃子太鼓観世家に入門した人名約1300名が記されている。その人名ごとの初代梅若実資料研究会の構成員による担当を決め、デジタル化された同資料に基づく解読と翻刻作業を各自で進めている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の中心となる能楽囃子太鼓観世家蔵『入門者摘録』(全2冊)のデジタル化により、初代梅若実資料研究会の構成員が各自、解読と翻刻作業を進めている。 能楽囃子太鼓観世家の協力により、同家が所蔵する厖大な数の資料に関する調査を、虫干し時を含めて4日間、行った。 初代梅若実資料研究会による研究集会を1回開催し、『入門者摘録』(全2冊)の翻刻を含めた報告書の出版について、時期と構成に関する方針を定めた。
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Strategy for Future Research Activity |
初代梅若実資料研究会による研究集会を5回程度(能楽囃子太鼓観世家における資料調査も含めて)開催し、以下の目的で同家蔵『入門者摘録』(全2冊)の解読と翻刻作業を進める。 Ⅰ19世紀初頭から20世紀半ばまで同家に入門した素人弟子の調査。Ⅱ19世紀初頭から20世紀半ばまで同家に入門した玄人弟子の調査。Ⅲ同家が所蔵する起請文など伝授にかかわる資料と『入門者摘録』(全2冊)との関係性の解明。Ⅳ同家が所蔵する厖大な数の資料の総合的調査によるデーターベース化の準備。Ⅴ『入門者摘録』(全2冊)の翻刻を含めた報告書の作成。
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Causes of Carryover |
(理由)直接経費のうち、とくに旅費、人件費・謝金、その他、の支出の圧縮に努めた。 (使用計画)初代梅若実資料研究会による研究集会の開催、参考文献の購入、調査のための旅費、本研究課題に関する報告書の出版を予定している。
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