2017 Fiscal Year Research-status Report
演劇とドラマトゥルギー テクスト、上演作品、劇場の見地から考察する新たな関係
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16K02341
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
藤井 慎太郎 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (10350365)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 演劇学 / 現代演劇 / ドラマトゥルギー / ドラマトゥルク / 演出 / 文化政策 / 劇場制度 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度は、6月にドイツ・ハンブルクで開かれたパフォーマンス・スタディーズ・インターナショナルの年次大会(英語による発表)、2018年3月にストラスブール大学で開かれた国際シンポジウム(フランス語による発表)において研究成果を口頭で発表した。 出版された研究成果としては、ピーター・エカソル、エドワード・シアと共同で編集したThe Dumb Type Readerが刊行され(論文も所収)、『早稲田大学文学研究科紀要』63号に論文「演劇と公共性 フランスと日本の比較を通じて」を発表した。ITI(国際演劇センター)が発行する『国際演劇年鑑』に掲載された論考「フランス演劇の2017年 安定への兆しのなかで」にはフランス研究出張の成果が生かされている。現在、進行中のものとしてはピーター・エカソルとヘレナ・グレアンが共同で編集する著書に論文(英語)を投稿し、掲載が認められた(2018年秋刊行予定)。日本演劇学会紀要(2018年6月刊行予定)の特集「ドラマトゥルク/ドラマトゥルギー」の責任編集を務め、4本の論文を査読し、執筆者に助言を与え、巻頭辞(解説)を執筆した。同じ日本演劇学会が2019年5月に刊行する予定の『西洋演劇論アンソロジー』(仮)のためのテクストの翻訳、解説の執筆も進めている。フランス語圏を代表する演劇研究誌Alternatives Theatrales特別号(2018年9月刊行予定)において、現代日本演劇のドラマトゥルギーを特集することになり、共同責任編集者を務めるクリストフ・トリオーを2018年2月に日本に招聘し、打ち合わせを行い、編集の準備を進めるとともに同時に特集号に掲載される予定の論文の執筆に取り組んだ。 そのほか2017年11月8日にピーター・エカソルとヘレナ・グレアン、2018年1月10日に高桑和巳を講師に迎え、2回の公開研究会を開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2017年度には1冊の共編著書(英語)、2本の論文(英語、日本語)が出版され、国際シンポジウムで英語およびフランス語で計2回の発表を行い、学術誌(日本語)の特集責任編集を準備し、演劇研究誌(フランス語)の責任編集と論文(フランス語)の執筆を準備するなど、忙しい中でも高水準の生産性を維持できたものと判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度は特別研究期間を取得してフランスに滞在する予定であり、これまでになく研究に時間を割くことができる見込みである。事前に充分な準備をして過ごしたい。
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