2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K02349
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
鈴木 公子 (林公子) 近畿大学, 文芸学部, 教授 (50183091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土田 牧子 共立女子大学, 文芸学部, 専任講師 (30466958)
中尾 薫 大阪大学, 文学研究科, 准教授 (30546247)
後藤 静夫 京都市立芸術大学, 日本伝統音楽研究センター, 名誉教授 (50381926)
横田 洋 大阪大学, 総合学術博物館, 助教 (50513115)
澤井 万七美 沖縄工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (60330726)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 乙女文楽 / 人形衣装資料 / 女性芸能 / 大阪の芸能 / 近代の芸能 |
Outline of Annual Research Achievements |
・研究対象である大阪大学大学院文学研究科所蔵の乙女文楽の人形衣装を中心とする資料約500点についてのデータベース作成のために収集データの入力を行い、様々な分析を可能にする詳細なデータ・ベースを完成させた。 ・研究対象の資料の性格、来歴を明らかにするためには、資料の大半を占める人形胴・衣装が、乙女文楽の2種類の人形操作方法である「腕金式」のものであるのか「胴金式」のものであるのかを明らかにできるかどうかが鍵をにぎっていることが明らかになってきた。しかし、同時に、資料の形態から人形操作方法をどのように判断できるのかは、依然、検討の過程にあり、さらに多くの知見を得る必要があることが明らかになった。 ・戦前から戦後の乙女文楽の関係者にインタビューを行うことができ、この時期の乙女文楽の実態に迫りうるさまざまな貴重な証言を得ることができた。また、研究対象の資料の来歴を明らかにするためにも重要な知見を得ることができた。 ・大正から戦前の、乙女文楽の興行の実態を探り、その歴史を明らかするために、網羅的な文献調査を進めた。関係雑誌、新聞等から乙女文楽に関する記事、広告を抽出するとともに、データ化の準備を進めた。 ・インタビュー調査、文献調査で得られた情報を共有し、乙女文楽について、素人義太夫との関係、上演作品レパートリー、興行の実態と歴史的な変遷等について多角的に考察を進めると共に、大阪における近代芸能、近代における少女による芸能という総合的な観点からの検討を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究対象資料のデータベース作成、文献調査については、計画に従って行うことが出来たが、文献調査に想定よりも時間がかかっていること、また、計画していた関係者へのインタビューで、実施できなかったものがあった。
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Strategy for Future Research Activity |
・資料データベース公開のための作業に取りかかる。 ・さらに乙女文楽技芸伝承者およびその関係者へのインタビューをおこない、新たな知見を得る。 ・資料データベース、文献資料を分析し、研究対象資料の性格を明らかにするとともに、乙女文楽について芸能史的な諸方面からの考察を行い、成果を発表する。
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Causes of Carryover |
当初予定していた関係者による聞き取り講演会の実施が1回しかできなかったため、そのために予算化していた旅費、謝金等の支出がなかった。また、研究分担者が実際に集まる形での研究会も実施しなかったため、そのために予算化していた旅費、会合費の支出がなかったことによる。 今年度は、昨年度実施できなかった聞き取り講演会を2~3回実施し、また、研究分担者が一同に会する研究会を複数回行う。そのために旅費、会合費を、また、研究成果をまとめ、公開するためのデータ処理のために謝金を、さらに、研究対象資料の良好な保存のために物品費を使用する。
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