2016 Fiscal Year Research-status Report
アジアの植民地を訪れた日本人の紀行文に関する基礎的研究
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16K02360
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
石井 正己 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (30251565)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 植民地 / 紀行文 / 高浜虚子 / 日本遺産 / 外国人が見た日本 / 日本人が見た外国 / 夏目漱石 |
Outline of Annual Research Achievements |
①2016年8月31日、韓国・全南大学校日本文化研究センターにおいて、「高浜虚子『朝鮮』が描いた世界」の講演を行い、質問・意見を受けた。 ②2016年9月1日、2日、韓国・群山において、植民地時代の日本遺産および東国寺の調査を、韓国・全南大学校教授金容儀氏と行い、資料を収集した。 ③2016年11月28日、勉誠出版の『アジア遊学』に、「外国人の発見したニッポン」の特集として、「ジェームス・カーティス・ヘボンのローマ字」「イザベラ・ルーシー・バードの東北・北海道」「エドワード・シルヴェスター・モースの大森貝塚」「ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の熊本」「バジル・ホール・チェンバレンの日本語文法」「アーネスト・フェノロサの法隆寺」「ジョン・バチェラーのアイヌ」「フレデリック・スタールのお札」「フェリックス・レガメの挿絵」「ウォルター・ウエストンの日本アルプス」「カール・フローレンツの日本神話」「セルゲー・エリセーエフの東京・吉原」「李光洙の帝都東京」「ジョン・F・エンブリーの須恵村」、コラムとして、「フィリップ・フランツ・フォン・シーボルトの日本の魚」「ブルーノ・タウトの桂離宮」「アーサー・ウェイリーの源氏物語」「コルネリウス・アウエハントの鯰絵」の執筆を依頼した(執筆者は省略、2017年12月発行予定)。 ④2016年12月3日、東京学芸大学において、東京学芸大学フォーラム「外国人が見た日本」を企画し、趣旨「イザベラ・バードのまなざし 東京学芸大学教授 石井正己」、シンポジウム「外国人が見た日本 小泉八雲の見た熊本 熊本大学准教授 鈴木寛之 エリセーエフの見た東京 千葉大学名誉教授 荻原眞子 李光洙と帝都東京を歩く 韓国・全南大学教授 金容儀 コメンテータ 韓国・崇実大学校教授 李市埈 司会 東京学芸大学教授 石井正己」を実施した。 ⑤植民地を書いた紀行文を収集し、データベースを作成している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
植民地を歩いた日本人の紀行文を収集し、データベースを作成しつつ、同時に、関連する地域を調査し、資料の収集を進めている。なかでも、高浜虚子・夏目漱石といった重要な作家の作品を取り上げて分析し、その成果について講演を行っている。そのようにして日本人が見た植民地を研究してゆく一方で、植民地人を含む外国人が見た日本を取り上げることで、双方向の視線を明らかにすることに努めている。
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Strategy for Future Research Activity |
収集した日本人の紀行文を、①台湾、②樺太(サハリン)、③朝鮮、④南洋群島、⑤満洲、⑥支那(中国)、⑦その他の地域に分け、その内容が時期によって変化する状況を明らかにしてゆく。なかでも、2017年度は、与謝野晶子・吉屋信子・林芙美子・野上弥生子といった女性作家が植民地を訪れて書いた紀行文を集中的に分析する。それとともに、植民地人をはじめ、多くの外国人が日本を訪れているので、そうした動向にも注目してゆく。
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Causes of Carryover |
フォーラムの成果は出版することにしたため、報告書を印刷しなかったので。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2017年12月に実施予定の国際研究フォーラムのために使用する。
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Research Products
(7 results)