2018 Fiscal Year Research-status Report
アジアの植民地を訪れた日本人の紀行文に関する基礎的研究
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16K02360
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
石井 正己 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (30251565)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 植民地 / 帝国主義 / 紀行文 / 川村湊 / 尾崎秀樹 / 林芙美子 / 上海 / 蘇州 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年7月、東京学芸大学において、「越境するアジアの文学と教育」をテーマに、「モンゴル族のホウーリン・ウリゲルの現状と課題 東京学芸大学博士課程 蒙古貞夫」「張謇の教育改革及び日本教育に関する情報源 東京学芸大学博士課程 劉佳」「黒岩涙香小説研究の現状と課題 北京師範大学博士課程 張玉」の研究発表会を行った。 続いて、「アジア文学交流史を考える─植民地後/植民地前─」をテーマに、「講演 植民地文学研究の開拓者・尾崎秀樹 日本・東京学芸大学教授 石井正己」「講演 海峡を越えるテキスト─韓国の「忠臣蔵」、日本の「春香伝」─ 韓国・全南大学校教授 金容儀」「記念講演 近世期韓日恋愛小説と仏教─『九雲夢』と『好色一代男』を中心に─ 韓国・檀国大学校教授 鄭ヒョン」「講評 今日の講演を聞いて 日本・上智大学客員教授 韓正美」を行った。 2018年7月、『時の扉』第39号に「小特集 川村湊の植民地文学研究」を組み、13編の書評を入れて、印刷・発行・発送した。 2018年12月、フォーラムの成果をまとめ、『平成30年度科学研究費補助金(基盤研究(C))研究成果報告書 越境するアジア─戦争・文学・女性─』を印刷・発行・発送した。その中には、「特集 帝国日本が歩んだ足跡」「特集 アジア文学交流史を考える─植民地後/植民地前─」「特集 越境するアジアの文学と教育」「特集 越境するアジアの文学と教育」「特集 旅する女性の紀行文」を組み、14編の論考を収録した。 2019年3月、中国・上海を訪れ、かつての県城ならびにフランス租界・イギリス租界・アメリカ租界・日本人居住地の調査と資料収集を行い、合わせて、多くの日本人が訪ねた中国・蘇州を訪れ、寒山寺等の調査と資料収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年12月、『平成30年度科学研究費補助金(基盤研究(C))研究成果報告書 越境するアジア─戦争・文学・女性─』を発行し、これまでの成果をいったん集約することができた。それに加えて、植民地を旅した日本人の紀行文とその研究を収集・整理し、韓国・中国の関連する場所を訪ねて調査と資料収集を行い、韓国・中国の研究者と連携しつつ国際的な視野で研究を進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年6月、東京学芸大学において、「植民地時代とメディア」をテーマに講演とシンポジウムを開催する。 2019年12月、『平成31年度科学研究費補助金(基盤研究(C))研究成果報告書 植民地時代とメディア』を印刷・発行・発送する。 2020年3月、台湾・台北を訪れ、日本人統治に関わる調査と資料収集を行う。
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Causes of Carryover |
2018年3月、中国・上海の調査が順調に進んで残金が生じたので、2019年6月、フォーラムの開催のために使用する。
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Research Products
(8 results)