2018 Fiscal Year Annual Research Report
Fundamental research of nara-e style and picture scroll tale of taketori
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16K02380
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| Research Institution | Hanazono University |
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Principal Investigator |
曽根 誠一 花園大学, 文学部, 教授 (20187892)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 竹取物語 / 奈良絵本・絵巻 / 図絵の構図 / 図絵と本文の乖離 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
『竹取物語』の原本調査については、インターネットによる検索で、これまで存在が報告されていなかった伝本が確認でき、絵巻は共立女子大学本・真田宝物館本の２伝本と、整理が済んで閲覧可能となった慶應大学斯道文庫本の３伝本を調査し、奈良絵本は存在が確認できた円福寺本（千葉県銚子市）・名古屋大学森本文庫本の２伝本と、中京大学本の３伝本で実施し、図絵のカラー複写を入手するとともに、物語本文の調査も実施した。
また、所蔵機関のホームページ等で公開されているデータを用いて、宮内庁書陵部本絵巻（物語本文欠）・公文教育研究会本奈良絵本・勝興寺本奈良絵本の３伝本の図絵のカラー複写を入手するとともに、物語本文も調査した。石川透氏蔵奈良絵本断簡（15図）撮影の許可を得て撮影し、カラー複写を入手した。また、龍谷大学中川文庫蔵３冊本の写本調査を実施したところ、図絵を剥離した奈良絵本であることが判明した。
この結果、平成30年度は11伝本の奈良絵本・絵巻について調査し得たのだが、平成28年度の10伝本、同29年度の15伝本と合わせて、36伝本について調査でき、年間10伝本の調査計画は、所蔵機関の御高配を得て達成することができた。
こうした奈良絵本・絵巻の図絵の調査を踏まえて、同一下絵に基づいて描かれたことが判明した逸翁美術館本・諏訪市博物館本・聖徳大学本・立教大学小嶋本・鉄心斎文庫本絵巻の５伝本の図絵を比較し、下絵が料紙２枚分の長大図であった３枚の図絵の場合、如何にして料紙１枚分に図絵を縮約して描いたのか。その具体的事例を検討するとともに、同一の料紙１枚分の図絵でも、細部に相違が見られ、絵師による自由裁量の範囲を実証的に論じた「同一下絵による『竹取物語絵巻』図絵の検討」（花園大学日本文学論究、第11号）を執筆した。物語本文の異同についても調査が終わっており、論文として執筆する準備をしている。
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Research Products
(1 results)
