2016 Fiscal Year Research-status Report
日本統治下の台湾における能楽活動の基礎研究ー資料に基く台湾能楽史の構築をめざして
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16K02385
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Research Institution | Tezukayama University |
Principal Investigator |
王 冬蘭 帝塚山大学, 全学教育開発センター, 非常勤講師 (80319920)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
惠阪 悟 帝塚山大学, 文学部, 講師 (20708979)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 台湾 / 能楽 / 台湾日日新報 / 小川尚義 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題代表者王冬蘭は、初年度の実施計画における日本植民統治時期の「台湾における専業能役者の活動状況」の資料調査(国立台湾図書館)や資料整理を行ない、資料整理をしながら、論文テーマを決め、下記のテーマについて六麓会(能楽研究会)で口頭報告し、論文を完成、発表した。 「日本統治下の台湾における「能楽第一人者」小川尚義について」(『帝塚山経済・経営論集』第27巻P117~P122)四十年間在台した小川尚義は、世界的に傑出した言語学者である。また小川は能楽が達者であり、当時の台湾能楽界において、「第一人者」「権威者」といわれていた。小川尚義の能楽についての本格的な研究は行われていなかった。本論文は小川の能楽の基礎養成、彼の生涯の各段階における能楽展開状況、台湾能楽社会における地位等について追及し、明らかにした。 本研究課題の分担者恵阪悟は、2016年8月末から9月初旬にかけての五日間、国立台湾図書館を訪れ、同図書館が所蔵する日本統治時代に発行された新聞『台湾日日新報』に掲載された、能楽関係記事の探索と収集を行った。館内のみ使用可能な紙面データベースを用いて、複数のキーワードによる検索を行い、明治から昭和に至る、台湾における能楽受容の一端を把握した。また、同館が所蔵する台湾総督府関係資料中にも能楽関係の資料を見出したが、時間の制約もあり若干の記事を収集したのみに留まり、それらは今後の課題として残った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の実施計画どおり、国立台湾図書館(前身は日本統治時期の総督府図書館)に行き、「台湾における専業能役者の活動状況」「専用舞台建設の経緯や使用状況、日本統治後の舞台の行く末など」を中心に調査し、多くの資料を手に入れた。 収集した資料の分類も進めてきたが、台北市にあった能舞台に関する資料は極めて少ないため、台北市にあった能舞台の場所を確認することができず、今後注力すべき課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
計画どおり、継続して資料を収集し、整理を行う。「台湾における能楽普及を推進した人物」「各地に作られていた組織の成立時期・たしなむ流派・指導者・会員とそれらの人物の社会的背景」といったテーマで総合的、具体的に考察し、研究成果を社会に発信する。 上記収集資料について、編年的一覧の作成を進めた。全体的把握を目指すためには、同時代の日本内地で刊行された雑誌等の記事を合わせることが必要であるが、調査収集は、思うように進んでおらず、今後注力すべき課題である。その上で、台湾における能楽受容の持つ意義や意味に関する考察を進める予定である。
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Causes of Carryover |
28年度、仕事の関係で、日本国内資料調査や台湾現地調査は思うように進んでいなかったためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
台北、台中、高雄における能楽展開の場所を確認する。 学会、研究会で報告し、社会に発信する。
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Research Products
(3 results)