2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K02387
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
橋本 美香 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (70462041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蔡 佩青 静岡英和学院大学, 人間社会学部, 准教授 (20584973)
冨士池 優美 中央大学, 文学部, 准教授 (20510572)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 西行物語 / 翻刻 / 形態素解析 / コーパス構築 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本古典文学研究で活用できるコーパスのあり方について検討し、実際にコーパスを構築・整備したうえで、コーパスを活用した文学研究の一環として、本文校訂および解釈を実施することを目指している。平成28年度は、『西行物語」本文データ化および、コーパス構築のための形態素解析結果の確認を行った。 本文のデータ化のため、島原本(略本系、島原図書館松平文庫所蔵本)、宝永本(采女本系、今治市河野美術館所蔵本)、岩国本(中間本系、岩国徴古館蔵本)、発心本(松平本系、島原図書館松平文庫蔵本)については、翻刻を実施、本文の電子データ化を実施した。また、文明本(広本系、書陵部所蔵本)についても、現在翻刻中である。 コーパス構築のための形態素解析の実施方法について、すでに電子データ化を終えている岩国本(中間本系、岩国徴古館蔵本)、宝永本(采女本系、今治市河野美術館所蔵本)をサンプルとして検討を行った。具体的には、形態素解析の形態素解析に不要な情報の除外(丁数、書き入れ等)、形態素の過不足となる要素の整形(踊り字・くの字点、返読等)の検討を実施した。また、誤解析については、岩国徴古館蔵本16%、今治市河野美術館蔵本9%であり、撥音・促音・拗音に関するものが多く テキストにより精度が異なることが明らかになった。これを受け、形態素解析に必要なツールの作成、コーパスデータの修正(短単位修正)の方針を決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コーパス構築を実施する5系統本について、翻刻作業がほぼ完了し、データ化が出来ている。また、コーパス構築のためのツール開発と作業工程について、決定したため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、データ化したすべての系統本について、国立国会図書館のマイクロフィルムにより、本文の確認作業を行い、電子データ化を完成させる。また、コーパスデータ修正を実施、コーパス構築を目指す。コーパス構築に関する学会発表を行う。 平成30年度は、コーパス構築を完成させ、『西行物語』のテキスト校訂と解釈を実施、国際学会での発表など、研究成果の公開を目指す。
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Causes of Carryover |
形態素解析について、実感補助者による解析結果の修正について、今年度からの実施となる。それにともなう物品の購入、また人件費が未使用のためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
29年度交付額と合わせ形態素解析について、実験補助者による解析結果の修正の実施、それにともなう物品の購入を実施することとする。
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