2017 Fiscal Year Research-status Report
帝室博物館総長時代の森鴎外に関する研究 ―博物館行政改革の学術的基盤とその形成―
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16K02395
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Research Institution | Sagami Women's University |
Principal Investigator |
山口 徹 相模女子大学, 学芸学部, 教授 (10367013)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 森鴎外 / 博物館 / 美術制度 / 行政改革 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究課題「帝室博物館総長時代の森鴎外に関する研究 -博物館行政改革の学術的基盤とその形成-」を遂行するために必要となる国内外の関連施設への訪問調査および文献・図版・デジタル画像資料の収集・精査・分類に比重を置いて進めた。また、成果の一部を査読付き論文1本としてまとめた。 当初計画では、ドイツを中心とする欧州美術・博物館施設における実地調査を初年度である28年度に予定していたが、研究代表者の所属先変更に伴う諸手続き、研究環境整備(研究費使用が可能になるまでの移行を含む)の必要から、本29年度前半の実施に切り替えて対応した。実地調査および資料収集を行った施設はハンブルク市立美術館、展示改装されたばかりのベルリン鴎外記念館、ピナコテーク(ミュンヘン)、オスカー・ラインハルト美術館(ヴィンタートゥール)等である。このうち一施設では研究課題に資する期間特別展が行われており、当初の想定を上回る知見を得ることができた。研究計画申請時に予定していた成果発表に、研究論文もしくはサーベイ論文一本分を追加しうる内容であるため、次年度以降の計画を可能な限りで広げていけるよう鋭意努めたいと考えている。また、国内では鴎外が正倉院曝涼のために毎年訪れていた奈良国立博物館と周辺にある関連施設、寺社で同様の調査を行った。 上述の調査で得られた資料、知見をもとに進捗させた研究内容については、査読誌への投稿論文としてまとめ、30年度中に成果として報告できるよう努める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に予定していた海外調査を、研究代表者の所属先変更による影響等により、本年度前半の実施に入れ替える対応を行った。これは、当初の計画内で想定した対応策の一つで、2年目終了時点でほぼ順調に進展している状況に迫ることができた。ただし、国外調査で予想以上の資料・知見が得られたこともあり、また新しい所属先での勤務形態、執行ルール、地理的特性の違いの影響が及んでいることから、次年度以降の研究の取りまとめ期間に多少の調整の必要を感じている。
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Strategy for Future Research Activity |
30年度の国内外での調査・資料収集に、不足分を補いながら総括し、学術論文、研究報告として成果をまとめていく。
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Causes of Carryover |
次年度使用額分の多くは、29年度後半に購入依頼をした物品の納入が30年度にずれ込んだために生じている。また、国外調査の期間を計画より少ない日数でしか確保できなかったため(所属機関変更のための影響)、不足分を次年度実施分として計画の調整を行っている。これにより、ほぼ計画通りに使用することが見込まれている。
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Research Products
(1 results)