2016 Fiscal Year Research-status Report
1920-30年代における日韓文化交流に関する総合的研究
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16K02414
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Research Institution | Hokkaido University of Science |
Principal Investigator |
梶谷 崇 北海道科学大学, 未来デザイン学部, 教授 (10405657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Lee HyunJun 小樽商科大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (40708369)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 日韓比較文学 / 日韓比較文化 / 日本近代文学 / 柳宗悦 / 崔承喜 / 村山知義 / 廃墟派 / 南宮璧 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初計画に従い、研究代表者である梶谷崇、共同研究者である李賢晙、研究協力者である韓然善の3名による研究ミーティングを月に一度開催している。1920-30年代の日朝両国に跨って活動していた文化人、知識人のうち、柳宗悦、村山知義、崔承喜、南宮璧といった人物をピックアップし彼らの基礎的な情報整理および参考文献や一次資料の所蔵状況による情報収集を継続的に分担して行っているが、ミーティングではそれらの資料の情報共有、分析・意見交換を行っている。 8月29日から9月3日にかけて3名で訪韓した。事前にリサーチした文献資料の閲覧、収集が目的である。韓国ソウル大学図書館に所蔵される文献資料の調査、閲覧・複写作業を行ったが、とりわけ廃墟派の中心人物である南宮璧の最初期の文章が多く掲載されている「基督申報」は日本国内では閲覧できない貴重な資料であり、十数件に渡る記事を閲覧・複写できたことは成果であった。また滞在中、韓国近代文学関連施設に訪問したり、海外研究協力者である李秉鎮ともミーティングを行い意見交換をするなどして、韓国近代文学に対する情報収集にも努めた。ここで得られた情報を元に、さらに日韓文化交流に携わった人物の調査および関連資料の収集に繋げている。 韓国より帰国後、平成28年度後半は、収集した資料や参考文献の整理・解読・分析作業を中心に各メンバーの分担に応じて進めており、ミーティングにおいて情報の共有、意見交換を継続している。 計画では平成29年度に学会等でこれまでの成果を一旦まとめて発表する計画であり、それに向けて各自の担当項目について調査、分析作業を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
韓国での資料調査は当初計画どおり実施した。また参加研究者との定期的なミーティングを通した研究成果の報告と整理作業、意見交換も計画通り進めている。 新たに発掘・収集できた資料は南宮璧に関するものであり、他の人物に関連するものまでは十分に調査できているとは言えず、次年度以降の課題である。また収集資料の読解・分析作業も今後の作業が急がれる。
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Strategy for Future Research Activity |
計画に従い月例のミーティングとそれに合わせた資料の読解・分析作業を進める。合わせてより関連する資料に関する情報収集は参加メンバーで手分けして成果をあげられるようにより努力が求められる。 平成29年度は一度中間発表という位置付けて代表者の所属学会の場で成果を報告する。また平成30年度を目途として海外研究協力者を招聘して学会でのシンポジウム等の計画も平成29年度内に進めていく方針である。
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Causes of Carryover |
主として参考文献購入費として使用予定の物品費において数万円の残余金があった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残余金は当該年度執行できなかった分の参考文献購入費用として活用する予定である。
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