2017 Fiscal Year Research-status Report
1920-30年代における日韓文化交流に関する総合的研究
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16K02414
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Research Institution | Hokkaido University of Science |
Principal Investigator |
梶谷 崇 北海道科学大学, 未来デザイン学部, 教授 (10405657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Lee HyunJun 小樽商科大学, 言語センター, 准教授 (40708369)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 日韓文化交流 / 戦間期 / 柳宗悦 / 崔承喜 / 村山知義 / 立原正秋 / 柳兼子 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、平成28年度に引き続き、共同研究者、研究協力者とのミーティングおよび研究会を月に1度開催し、持ち回りでテーマに関する関連文献の読解や成果発表を、北海道科学大学もしくは小樽商科大学において実施した。 文献資料の調査・収集・分析・整理作業も平成28年度同様、国立国会図書館(日本)やソウル国立中央図書館(韓国)において行い、柳宗悦・兼子、廃墟派同人等に関する有力な情報を得ることができた。これらの調査は主に研究代表者である梶谷が年間通じで行なっている。 学会発表は平成29年度に2回行なった。一つ目は、「立原正秋と文化的アイデンティティ」(韓国東アジア日本学会、他2団体共催 2017年秋季連合国際学術大会、平成29年10月、東亜大学校(釜山))であり、植民地朝鮮に産まれながら日本人として執筆活動を行なった立原正秋の文化的アイデンティティのあり方を作品分析を通した読解を試みた。二つ目は「照応する有島武郎と柳宗悦ーヨーロッパ中世宗教への理解を通してー」(有島武郎研究会第62回全国大会、平成29年12月、新宿区歴史博物館)である。ここでは柳宗悦のキリスト教理解およびフランチェスコ受容について、有島武郎のそれと比較しながら検討した。これらは、当初研究テーマの範囲からやや離れるものであるが、本研究課題に関連するものである。前者は植民地朝鮮における朝鮮人の文化的アイデンティティを考察するものであり、後者は柳宗悦の思想研究の一環として行なったものである。 海外共同研究者である李秉鎮氏とは直接およびメール等での打ち合わせを重ね、情報共有を図っている。平成30年度(最終年度)に本研究課題に関わったメンバーでシンポジウムを開催する計画であるが、李秉鎮氏にも来日講演を依頼している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り概ね順調に進展している。研究会の実施や文献資料の調査は当初計画通り順調に調査活動を行うことができており、今後の学会発表、論文発表に向けて分析を進めているところである。 平成30年7月に日本比較文学会北海道研究会の場において本研究課題に関するシンポジウムを開催する計画であるが、これについても問題なく準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は全体総括の年度であり、7月21日、小樽商科大学において開催される日本比較文学会北海道研究会で、シンポジウム「日韓芸術の媒介者たちー近代における文化人の活動を通して」を実施する。これには、海外共同研究者であり、韓国の柳宗悦研究者、韓国比較文学会会長の李秉鎮教授を招聘して講演いただき、その後研究代表者である梶谷、共同研究者である李賢峻、研究協力者である韓然善らとともに研究発表および公開討議を行う計画である。 シンポジウム終了後はその成果をもとに、各所属学会において論文発表を行う。
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Causes of Carryover |
物品費として主に文献資料・図書の購入に支出しているが、若干額(3,800円程度)の残額が出た。これらは次年度の資料・図書購入費として使用する計画である。
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