2018 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on Naka Kansuke's Methods of Literary Creation.
Project/Area Number |
16K02421
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
大森 英実 (木内英実) 東京都市大学, 人間科学部, 准教授 (70331501)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 中勘助 / 直筆資料 / 創作方法 / 静岡市所蔵 / 目録 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究成果報告会として、2018年11月10日に平塚ゆかりの作家 中勘助を知る会の協力のもと、平塚駅前(一財)升水記念市民図書館2階ホールにて「詩人・エッセイストとしての中勘助を知るシンポジウム」を開催した。プログラム及びシンポジストは次の通りである。(1)野尻湖内琵琶島を背景とした「島守」について(長野日本大学高等学校国語科教諭 宮川厚樹)(2)平塚、浜岳地域を背景とした「しづかな流」より(平塚ゆかりの作家 中勘助を知る会 飯尾紀彦)(3)中勘助の詩における自然描写(詩人・文芸評論家 林浩平)(4)中勘助の自然詩、随筆作品の創作過程(東京都市大学准教授 木内英実)。 更に研究成果報告書として、『静岡市所蔵中勘助旧蔵書目録(完成版)』を2019年3月1日に100部発行し、国内外の大学・専門図書館約80館、関係者20名に郵送した。これは前年度の「静岡市所蔵中勘助旧蔵書目録について」『(日本女子大学大学院の会)会誌』(2018年3月)において公開した同目録に杓子庵・中勘助文学記念館押し入れに長きに亘り収蔵されていた中勘助遺族からの3期寄贈図書を加えた目録である。目録以外にも、上記研究成果報告会の概要も収録した。配布先からの反響としては、中勘助の読書歴調査の裏付け資料となる、作品の成立調査の上で参考資料となるなどが挙げられる。 「『月の兎』伝承における国定教科書及び典型国語教科書の影響」(『総合社会科学研究』第31号)における「月の兎」伝承の一つとして、本研究成果、中勘助ジャータカ及び今昔物語受容結果としての詩「うさぎのおはなし」を紹介した。研究発表も国際啄木学会東京セミナー及び総合社会科学会大会にて行った。 初年度の池田美愛氏による『銀の匙』韓国語版の要所日本語翻訳と併せて、最終年度の研究実績は今後の中勘助研究の大きな進展に繋がるものとおこがましくも自負する。
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