2017 Fiscal Year Research-status Report
日本支配下の戦時上海及びその周辺地域における日中漫画家交渉の基礎的研究
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16K02427
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| Research Institution | Higashiosaka College |
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Principal Investigator |
趙 夢雲 東大阪大学, 公私立大学の部局等, 教授 (80390152)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 可東みの助 / 漫画 / 上海 / 「大陸新報」 / 「改造日報」 / 日中戦争 / 留用 / 引揚げ |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は上海及び戦中汪兆銘政権勢力範囲下の華中各地で展開した日本人による文化・文芸活動の実態解明を試みるもので、研究上の座標軸として設定したのは可東みの助という漫画家である。
二年目にあたる本年度は、引き続き基礎資料の調査・収集に努めながら、前年度に入手した資料の分析に力点を置いた。
具体的には上海図書館(含上海図書館徐家匯蔵書楼）、上海档案館及び関連資料の所蔵が確認された上海の一部大学の附属図書館のほか、南京図書館（旧国立中央図書館）へも赴き、可東みの助が戦後留用された第三方面軍改造日報館系列の刊行物「改造週報」「改造評論」「導報月刊」「日本評論」「改造雑誌」及びその後身にあたる亜東協会が発行した月刊「亜洲世紀」の調査・収集を行い、ごく一部を除き、ほぼ入手できた。合わせて戦後邦人留用及び戦後日中関係を論述する文献等も購入し、基礎研究資料の整備をはかった。
上述した資料調査・収集作業と並行して、入手した資料の分析を試み、可東みの助の作品の解読を、関連文献を参考しながら進めた。更に本科研とも関連性がある戦後上海に於ける国民政府対日宣伝機関の定期刊行物を新たな課題として取り上げ、全容を把握するためにまず記事細目の作成に着手した。
本科研は次年度が最終年度を迎えることに備え、研究成果の公開のために、人文・社会科学関連書籍の出版を特色とする生活・読書・新知三聯書店と上海時代の可東みの助の人物及びその作品を紹介する研究書『上海非常時期―可東己之助漫画解讀』(仮題）の出版契約を正式に交わし、来年度の上梓・発行を目指す。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度も新資料の入手があり、これまでの資料調査の結果などを踏まえ、整理・分析を加えて、上海時代の可東みの助に関する研究の重要性を改めて認識することができた。また、戦時中、上海在住の内外の漫画家と可東みの助との交渉をめぐって、研究の切口を模索し続け、新たな方向性の確認もできた。よって関連論文及び細目等の作成、最終年度に上梓する予定の可東みの助関連専門書の執筆準備などはほぼ当初の計画通りに進捗している。但し、既に入手できた『上海漫態』以外の可東みの助の作品集の所蔵は、いまだに確認できていないため、現状に応じ、計画を調整して収集できた資料を中心に所定の作業を進めている。
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| Strategy for Future Research Activity |
最終年度にあたる次年度は、本年度に作成した「上海：非常時の日常（一）―可東みの助の漫画を読み解く―」の続編と「戦後上海に於ける国民政府対日宣伝定期刊行物目録一覧」の亜東協会の部分を完成すると同時に、内外の図書館と公文書館において引き続き資料探索に努め、それらの資料の分析結果を予定している研究書に反映したい。
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| Causes of Carryover |
最終年度に当たる今年は、上海時代の可東みの助の人物及びその作品を紹介する研究書が上海の出版社(三聯出版社）から刊行される予定である。図版点数が多く、また画像が不鮮明だったため、別途加工費用が発生している。更に円安・元高の進行は、大幅に予想を超え、製作費の支出増という結果をもたらしている。図版加工費用を含む出版負担費用を科研費から支出する予定で、次年度使用額が発生した。
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Research Products
(2 results)
