2017 Fiscal Year Research-status Report
旧日本映画社撮影長崎原爆映像の超高度精密化と関連資料等による歴史的記録性の確立
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16K02429
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| Research Institution | Aomori Public College |
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Principal Investigator |
横手 一彦 青森公立大学, 経営経済学部, 教授 (60240199)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野坂 昭雄 山口大学, 人文学部, 准教授 (20331936)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | 長崎原爆 / 長崎(浦上)原爆 / 長崎原爆映像資料 / 長崎原爆の被爆映像記録 / 被爆の視覚資料 / 旧日本映画社撮影 / 長崎原爆文学 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
1945年被爆からほぼ1ヶ月後に、旧日本映画社が学術的要請にこたえる形で、長崎原爆の被害の実際を撮影した。日本人スタッフによる映像資料は、自ずと米軍撮影の同様資料とは、関心の度合いなどが異なるものであった(――その読み解きも必要である)。それ自体が、70年余り後の今日に残された貴重な歴史的な資料である。その映像資料から重要な場面を画像として切り取り、画像資料の細部を分析し、確定する。そして、映像資料と画像資料と関連文献資料と組み合わせ、20世紀人類の負の出来事に、ヒバクシャや被害者の側から史的な位置付けを行う。そのことに、本研究の主たる目論みがある。昨年度は、画像資料の制作と多様な文献資料の収集に努めた。現在は、その全過程における中程の研究段階である。
本研究事業を立ち上げる以前に、オリジナル映像から2Kの複写版が作成されていた。許諾を得て、その2K映像の複写版から4K映像を、不用意な資料流出を恐れて調査研究用として限定し、これを制作した。これは、本研究計画の立案時に了解されていたことである(――この制作段階での進展が容易でなかった・後述)。初年度は、2K映像や2K画像に依拠した作業や分析であった。2年目以降の調査研究は、より精密な4K映像や4K画像に拠るものである。
加えて、本研究事業の遂行とは、直接的に関連するのことではないが、昨年度後半に、主担者がその責任を負う他の科研費種目に関わり、その実務的な段階で、意想外の困難がしゅったいした(学術振興会に報告済み)。そのことに関わる複数の方々と、実務的な困難を、確実に、また期日内に乗り切ることに努めた。そのため本研究事業が、年度初めに想定していた到達度に達することが出来なかった。その困難を解決しようとし、その反面のこととして、本研究事業に遅延が生じたという事実は否めない。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
年度始めの5月に、原映像資料を保管し著作権を持つ映像資料会社に、2K映像資料から4K映像資料への転換を依頼した。しかし本研究事業が継続しているにもかかわらず、本研究事業完了後に映像・画像・文字資料に関する著作権を、全的にあるいは部分的に譲渡する確約を事前に求められた。主担者は、分担者や協力者の方々の考え方やその関わり方などがあり、未だ成果が得られず、研究事業を遂行している現段階で、その意に容易に応じられないと応答した。その遣り取りを重ねたが、結論を得ることが出来なかった。そのため、権利関係を未整理・未解決であるとして、研究事業として、資料制作や研究を進めることとした。商業的利用とは別である。当然、研究事業終了後、その成果は公開される。
研究の前段階や現段階で、そのような行き違いが生じ、手間取ることを予想しなかった。主担者は、同時代の苦難や現実に生きた人びとへの思いが先走り、一般的な意味で、記録的映像に対する社会的対価や、それらへの思慮が足りなかった。研究する側の発意だけでは、研究事業は続かない。
その後に4K化されたデータが送付された。しかし映像画面が途中で静止などの不具合や、2K映像資料と4K再編集映像資料の収録時間が異なっていた。4K化する作業の際になされたと思われる、そのようなことを確認した。再度、そのような再編集などのない、2K映像資料と同一の、4K映像資料の完品の制作を求めた。この間、辛抱強く対応し、4K化に関する遣り取りを重ねた。新年度から6ヶ月後の10月30日に、当該の映像資料会社から、4K映像データが送付された。主担者は、その複製版を作成し、研究分担者や、求める研究分担者に送付した。映像から画像を切り取る作業は、その後の着手となった。そのような経緯や、「研究実績の概要」に一部を記したことなどが重なり、本研究事業の進捗状況を「遅れている」と自己評価した。
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| Strategy for Future Research Activity |
今年度は、研究期間4年における3年目である。初年度は視覚資料を考究する研究環境を整えることに努めた。2年目は、原資料とその著作権を有する会社に依頼し、一時的な滞りはあったが、2K映像から4K映像に複製した映像資料と画像資料を作成した。そのような資料的な研究環境を整えることに併行し、関連する文字資料を収集と、一部データ化することに努めた。
3年目は、2年目における基本的作業の遅れもあり、映像と画像と文字資料を項目毎に組み合わせ、確定的な資料を作り、それらを積み重ねることに研究の主軸を置く。そのことに、一層、真摯に取り組む年度である。また今年度は、長崎市内の踏査を行う予定である。それらの作業によって、完成年度に提出する成果物の質を高め、量的な確定に努める。
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| Causes of Carryover |
前年度は、「研究実績の概要」や「現在までの進捗状況」に記したように、年度当初に予定した、あるいはその目論みに従って、研究環境を整え、研究調査を行うことが出来なかった。その責は、主担者にある。
3年目は、これまでの準備段階を踏まえ、その量的・質的な蓄積を行う。また、長崎市内などの現地調査に力点を置く。そのため、デジタルカメラなどの機器や備品を整え、旅費や調査経費などに補助金を活用する予定である。
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Research Products
(3 results)
