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2016 Fiscal Year Research-status Report

時間を手がかりとした近世英国演劇の変容に関する研究

Research Project

Project/Area Number 16K02438
Research InstitutionIwate University

Principal Investigator

境野 直樹  岩手大学, 教育学部, 教授 (90187005)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywords英国ルネサンス演劇 / 演劇と時間
Outline of Annual Research Achievements

平成28年度は本研究の初年度であることから、本研究の事前準備として、これまでの研究を通じて作成してきた近世英国演劇に関するデータベースのアップデートを行った。しかし、所有する計算機の環境が新しくなったことから、データベースが正常に動作せず、数度にわたるデバックを行ったため、研究開始に時間を要した。
その後、上記のデータベースを活用して本年度の研究を開始し、これまでの科学研究費助成事業による研究成果を基盤に、ベン・ジョンソンの初期の作品からシェイクスピアのロマンス喜劇を経て、後期のジョンソン作品へと視程を移動させつつ、喜劇作品がもつロマンス構造が、作品の時間構成にどう関わっていくかという問題についての予備的考察を行った。本考察については、データベースの不具合による遅れもあり本格的な着手はこれからとなるが、現時点ですでに、シェイクスピア喜劇における、演劇的時間の枠組みの無視が、ジョンソンの後期の作品と比べてさえもいかに途方もなく演劇的伝統から逸脱しているかという点については、たしかな手応えを得ており、そうした新奇な時間構造の導入がいかにして可能であったのかという問題系への視点を確立しつつある。
また、非言語情報として、科学史の側からの知見、とりわけ天文や計時などについての文化財や地理的情報の収集のための予備的考察を行い、こちらについてはほぼ完了した。これらの非言語情報から得られた考察をふまえ、効率的な取材計画を立案した上で、本年度は渡英して科学史博物館、大英博物館、大英図書館などでリサーチを行う予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

年度当初に予定していた準備作業としてのデータベースの更新とデータの移行に、主としてコンピュータ・ソフトウェア動作上の原因で遅れを来したため、本研究の着手に遅れが生じた。

Strategy for Future Research Activity

28年度予定のルネサンス英国演劇の主要作家・作品群にみられる時間概念の変遷についての視座を得たのちに、周辺的・実験的、あるいは破綻していると思われるような作品群に敢えて着目することで、演劇作品における時間概念の推移について、大きな視座からの見解を得ることができると考えている。本年度はこの計画にもとづいて、電子データ化された演劇テクストの研究に加えて、渡英して時計や天文などについての非言語情報の取材・研究を行う。

Causes of Carryover

当初計上した予算のうち、主としてデータベースの更新の遅延に伴い新規のリサーチが十全に行えず、文献複写費として計上した費目の未消化が発生したため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

海外出張等に伴う文献複写費などに使用する。

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Published: 2018-01-16  

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