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2019 Fiscal Year Research-status Report

F・ポルトゥス他による古典翻訳の英国初期近代詩人の神話創造への影響

Research Project

Project/Area Number 16K02443
Research InstitutionOchanomizu University

Principal Investigator

清水 徹郎  お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (60235653)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2021-03-31
Keywords英国初期近代 / 古代叙事詩 / 廉価本 / Franciscus Portus / シェイクスピア / マーロウ / メトニミー / メタファー
Outline of Annual Research Achievements

2019年度は、16世紀ラテン語訳ホメーロス叙事詩とシェイクスピアの『ソネット集』ならびにその同時代詩人について、文献調査とテクスト分析を中心に研究計画を進めた。本研究計画では前年度から、特にメトニミーとメタファーの用例を中心にテクスト分析を進めている。2018年度に冥界/地獄のメトニミーをホメーロス、ダンテ、マーロウ、シェイクスピアの各テクストに当たって比較対照したのに引き続き、2019年度はギリシャ語ホメーロス、ラテン語訳ホメーロス、シェイクスピアの『ソネット集』等のテクストに当たって、「詩と歌」他のメトニミーの例を考察した。両詩人において、「歌と詩」のメトニミー的慣習を明確に自覚し、詩を歌と独立した営みとして主張していたところに共通性が認められることなどを確認した。すなわち両者共に、「歌わない」ことが「詩作しない」ことと同義ではなく、そして「歌う」ことよりも現実・真実を語る思想性に詩の価値を見出している。ホメーロスにおいては、『イーリアス』よりも『オデュッセイア』にそのような特色が強く見られる。シェイクスピアでは単なる伝統的イメージや韻律を超えて散文性・口語性・論理性を追求し、結果としてメタポエティックな議論をソネット形式で展開している。『ソネット集』以外のシェイクスピア・テクストについて言うならば、後期の作品、特に悲劇において、散文・口語的表現で詩的な効果を出そうとするところなども、その傾向の現れと言える。思弁的でメタポエティックな神話創造に繋がる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

計画していた海外資料調査が公務の都合で実施できなかったため調査が遅れたことなどが主な理由である。

Strategy for Future Research Activity

初期近代の神話創造における古典的および因習的メトニミーの問題を、さらに調査対象資料を増やして考究したい。滞っている海外資料調査については、新型コロナウィルス蔓延状況が解消し次第公務との関係を調整しつつ早急に実施したい。

Causes of Carryover

調達を計画していた資料が入手不可能であったため、また計画していた海外資料調査旅行の年度内実施を見送ったため。

  • Research Products

    (2 results)

All 2020 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] The Great Teller of Tales, or πολ------ : Problematizing the Metonymy of Singing in the Epic Tradition and Shakespeare’s Sonnets2020

    • Author(s)
      Tetsuro Shimizu
    • Journal Title

      人文科学研究

      Volume: 16 Pages: 119-128

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Remarks] Tea Pot お茶の水女子大学人文科学研究

    • URL

      http://hdl.handle.net/10083/00063611

URL: 

Published: 2021-01-27  

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