2017 Fiscal Year Research-status Report
ウェールズ英語文学の研究─二〇世紀産業小説とナショナリズム・共同体
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16K02444
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
河野 真太郎 一橋大学, 大学院商学研究科, 准教授 (30411101)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ウェールズ文学 / ウェールズ英語文学 / イギリス文学 / 英文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、1930年代のウェールズ文学をめぐる研究を進捗させ、まだ刊行にはいたっていないが、ケンブリッジ大学出版局から出版予定の、1920年代から40年代を対象とする英文学論集に、主にLewis Jonesの作品を巡る論文を寄稿した(平成30年夏に刊行予定)。同時に、現代ウェールズ文学についての研究も進捗させた。とりわけ現代作家Rachel Treziseの作品の検討を進めた。これについても研究結果の公表にまでは至っていないが、平成30年5月に予定されている日本英文学会において研究発表をする予定である。また、Treziseも含むウェールズ作家の作品の翻訳紹介のプロジェクトも具体的に進行中である。 Raymond Williamsをめぐるアーカイヴ調査も進捗させた。平成29年5月にはウェールズ・スウォンジー大学のレイモンド・ウィリアムズ・アーカイヴを訪問し、ウィリアムズの短編小説作品や主著Culture and Societyに関連する資料を調査した。 同時に、ウェールズの研究者との学術交流も継続した。平成29年5月にはウェールズで開催されたThe Association for Welsh Writing in Englishの年次大会に参加し、ウェールズ英語文学をめぐるさまざまな研究発表に触れ、また現地の研究者との情報交換を行った。この学術交流は、平成30年2月に大阪と東京で行った国際シンポジウムAfter Coalに部分的に結実した。 平成29年9月には、ニュージーランド・ヴィクトリア大学ウェリントン校において開催された国際会議Selective Tradition in the Pacificで、Raymond Williamsの小説をめぐる研究発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」で述べた通り、資料調査や作品の検討という点では研究は概ね順調に進行した。研究成果の公表という点では、国際学会における口頭発表が一本ということでまずまずの進行度であるが、次年度に公表予定のブックチャプター、発表が決まっている学会発表があるため、総合的には順調に進行していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、資料調査という点ではこれまで通りの研究を進めつつ、研究結果を公表することに力点を置いて研究活動を行っていく。具体的には、平成30年夏にはLewis Jonesをめぐるブック・チャプターが出版予定であるし、同年5月には日本英文学会においてRachel Treziseをめぐる研究発表をする予定である。また、ウェールズ英語文学の翻訳紹介についてもできるだけ進捗をさせ、公表を目指す。
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Causes of Carryover |
少額の次年度使用額が生じたが、年度の終盤において、取り寄せに時間のかかる書籍を購入する必要が生じたため、次年度に使用することとした。
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Research Products
(2 results)