2019 Fiscal Year Annual Research Report
A Study of "Collaboration" in Early Modern English Drama
Project/Area Number |
16K02452
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
太田 一昭 九州大学, 言語文化研究院, 学術研究者 (10123803)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 作者同定 / 計量文体解析 / 統計学的作者判定 / Arden of Faversham / Shakespeare / New Oxford Shakespeare / 初期近代イギリス演劇 / Pervez Rizvi |
Outline of Annual Research Achievements |
1.「シェイクスピアはArden of Faversham の作者か――印象批評と計量文体解析」 『ファヴァシャムのアーデン』の作者問題を、従来の印象批評と近年注目が高まっている計量文体解析による作者判定方法の観点とから考察した。印象批評によって決着のつかない本作品の作者問題を計量文体解析によって解明したとし、その作者をシェイクスピアとする統計学的判定方法の問題点を明らかにした。(口頭発表) 2.「計量文体解析と戯曲の作者同定」 The New Oxford Shakespeare: The Complete Works (2016)の作者同定を支持する研究者たち(Elliott、Greatley-Hirisch、Jackson)の統計学的作者同定研究を批判的に検証し、彼らの解析はサンプル戯曲の選択と解析方法が恣意的・不適切であり、その作者判定は説得力を欠いていると論じた。(口頭発表) 3.「The New Oxford Shakespeareの統計的作者判定方法の限界」 NOSの統計学的な作者判定方法の問題点を、Pervez Rizviの戯曲間連語一致データベースに基づく作者判定結果を傍証として指摘した。NOSの編者・研究者たちは、自分たちの選定した演劇作品から抽出した言語データの解析によって客観的な作者判定結果が得られるかのような議論を展開しているが、データの抽出・処理方法によって判定結果が変動する可能性を無視している。シェイクスピア時代の戯曲は共作が非常に多く、計量文体解析に必要な量の単独執筆テクストを確保することがむずかしく、作者不詳作品の作者を統計学的解析によって確実に同定するのは困難である。(口頭発表) 4.「計量文体解析と戯曲の作者同定」 上掲の口頭発表2に基づく論考の中国語訳である。訳者は、華東師範大学外国語学部研究生廖柳棉氏。(刊行論文)
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Research Products
(4 results)