2021 Fiscal Year Research-status Report
古英語格言詩 Maxims I, II に関する総合的研究
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16K02462
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
唐澤 一友 立教大学, 文学部, 教授 (00347288)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 古英詩 / 古英語文学 / アングロ・サクソン学 / 中世英文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はMaxims Iおよび Maxims II について、本研究の開始当初からこれまでに行ってきた研究の成果を文章にまとめる作業を主に行った。両作品における言語的・韻律的特徴や両作品の収められた写本の詳細、およびこれらの写本内における両作品の位置づけ、写本内の他の作品群との関係性、両作品の内容、構成・構造やその目的、両作品に集められた格言の種類や性質等についてなど、これまでの研究を通じ考察したことを一通り文章にまとめた。また、両作品における細かい問題点等についての分析や解説をまとめたコメンタリーや、両作品で使用されている語彙についてまとめたグロッサリーも作成した。さらには、両作品のテクストを整備し、現代英語訳も作成した。これにより、本研究の成果として出版する予定の書籍の基礎になる原稿のかなりの部分を書き上げたことになる。 これらの作業とも関連し、Maxims Iにおける特殊な韻律と関連する論考を論文としてまとめ、また、Maxims IとMaxims IIとの類似点や相違点について比較検討した結果を口頭で発表した。 当初の計画では、英国における研究活動もする予定であったが、引き続きコロナ禍のためこれは行うことができなかった。しかし、上記の口頭発表は、この研究と関連するものとして、海外の研究者3名と共に行った日本英文学会のシンポジウムにおけるもので、このシンポジウムを通じて海外の研究者との意見交換を行い、これにより海外における研究活動が出来なかった分を一定程度は補うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍のため、予定していた海外における研究活動が行えなかったことが主な原因で、やや計画よりも遅れているが、オンライン会議等を利用することにより海外における研究活動を一定程度補うことが出来、計画より大幅に遅れることなく進めることが出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍により海外における研究活動が出来なかったことで、当初の計画よりもやや遅れているため、一年間の研究期間延長願を提出し受理された。今後あと一年の間に、海外における研究活動を再開し、その成果も踏まえ、これまでに書き溜めてきた原稿を完成させ、年度末までには出版社の選定を行える状態にする予定である。これに加え、これまでの研究成果を論文にまとめて出版したり、論考を海外の学会において発表する予定もある。以上のように、今後の一年間は、これまでの研究の総まとめをし、研究期間全体を通じて得られた成果を総合的にまとめ発表する準備を整えるとともに、その一部を論文や口頭発表として公表する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により海外における研究活動が出来ず、その分支出が予定よりも少なかったため。一年間の研究期間延長を申請し受理されたため、今後一年間のうちに海外における研究活動を行い使用する予定である。具体的には、これまでの研究を踏まえた研究発表を国際学会で行う予定であり、その発表を通じて海外の専門家と意見交換することで、本研究の集大成として出版する予定の書籍の内容をより洗練させたいと考えている。研究費は主にその学会に出席するために必要な費用(参加費、旅費、滞在費)として使う予定である。
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