2017 Fiscal Year Research-status Report
シェイクスピア作品におけるグローバル経済の影響と物質文化への人々の関心
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16K02471
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
勝山 貴之 同志社大学, 文学部, 教授 (30204449)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ルネッサンス演劇 / シェイクスピア / 近代初期演劇 / グローバル交易 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、グローバル経済とシェイクスピア演劇の関係を探求しようとするものである。グローバル交易の時代に、経済の発展は人々の心象に大きな影響を与えたと思われる。同時に、様々な交易品がどのように社会に流通し、消費されたのかを解明することによって、人々の物質欲を探求し、それを演劇作品の中にあとづけたい。 平成29年度は、科研の研究目標に沿って、3本の論文と1本の研究ノートを発表した。1)「ルネサンスとイスラム世界ー文化の越境と変容」Shakespeare Journal 3号、 2)「『じゃじゃ馬馴らし(The Taming of the Shrew)』と当世風の結婚ー16・17世紀のグローバル交易とロンドンの物質文化ー」『同志社大学英語英文学研究』98号、 3)「グローバル交易と『間違いの喜劇』」『主流』79号、 4)研究ノート「トマス・デカーのパンフレットを読むー大都市ロンドンの繁栄と堕落」『同志社大学英語英文学研究』99号。 いずれの研究も、シェイクスピア作品のなかに、当時の経済動向の痕跡とそれに対する人々の心象を探ることを目標として行われた。書物にするためには、各論文にもう少し加筆修正する必要があることを感じている。 現時点では、以上の研究成果から考えて、おおよそ当初の計画に沿って、順調に研究は進行していると思う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究はお概ね順調に進展している。ただし平成29年度12月に日本英文学会関西支部大会の招待発表で行なった「『空騒ぎ』とスペインのオレンジ」は、研究当初、科研の研究目的に沿った内容になると考え着手したが、その後、研究調査を進めていくなかで、科研テーマとうまく繋がらないことが判明し、少し科研目標とは異なる研究発表となった。この点については、残念に思う。
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Strategy for Future Research Activity |
残された科研研究期間の間に、同じくシェイクスピア作品である『トロイラスとクレシダ』、『アテネのタイモン』、『尺には尺を』などの作品について、研究を進めていく予定である。 平成30年度は、『トロイラスとクレシダ』に関する論文の研究および発表を計画している。 最終的に序論を含め7章構成の書物にするためには、もうひと作品を選び、研究を進める必要があるが、現時点ではどの作品を研究対象とするか検討中である。
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Causes of Carryover |
書物の出版状況などから、すこし書物の購入を控えていたことで、予算の全額を執行することはなかった。また、個人的な事情で、海外への資料収集ができなかったことも、予定より予算執行額が少なかった理由である。次年度以降、計画どおり順調に執行していきたい。
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Research Products
(7 results)