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2016 Fiscal Year Research-status Report

米国舞台芸術の理論と実践におけるサブジャンルの成立と発展―人形・仮面・演じる物体

Research Project

Project/Area Number 16K02483
Research InstitutionOchanomizu University

Principal Investigator

戸谷 陽子  お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (30261093)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2020-03-31
Keywords人形劇 / 仮面 / モダニズム / 前衛演劇 / 実験演劇 / パンチとジュディ / ギニョル
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、アメリカ合衆国の現代前衛舞台芸術における身体・越境・テクノロジー、文化政策、芸術/教育制度の諸問題について、対象を人形・仮面等の「演じるオブジェ」(John Bell、2006)、すなわち広義の人形劇に特化し、合衆国に独自に展開した前衛舞台芸術形式および実践活動として、その美学的・政治的戦略、ジャンルの成立史と制度化に至る過程を検証し、包括的な考察を行うことで、前衛舞台芸術および現代アメリカ演劇史に出現したひとつのサブジャンルとして再定位を試み、今世紀の展開を標榜するための新たな学術的指標を提示することにある。
本年度は、当該研究に必要となる歴史的な背景を確認しつつ、「西欧モダニズム演劇における身体および人形をめぐる芸術概念の成立と合衆国前衛演劇における人形・身体・テクノロジー」というテーマに沿って、基礎研究を進めた。
具体的には、西欧演劇における人形の概念の成立と発展を歴史的にたどり、舞台上の身体についての概念の展開とともに発展をみたモダニズム演劇の実験以降に焦点を当てて、ギニョル(仏)やパンチとジュディ(英)等大衆演芸、ロシアの人形劇をバレーに作品化した『ペトルーシュカ』(1911)等隣接ジャンルを含め欧州の前衛演劇史を概観し、舞台上における人形および身体の概念の変遷を検証する。参照項としてV.メイエルホリドのビオメハニハと身体の概念(1922)、E.G.クレイグの俳優論『俳優と超人形』(1911)、アルトーの『演劇とその分身』(1938)、ブレヒト理論、イジェイ・グロトフスキの俳優身体論『演劇実験室』(1965)、メルロ・ポンティの身体論等の基本文献を収集して基礎研究を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

公務での出張が重なり、本研究で予定していた訪問実地調査のための出張期間を確保できなかったことが理由であり、研究期間内に、米国の人形劇関連の団体および人形劇制作・人形師養成の制度についての基礎調査を行うとする予定が遅れている。そこで2017年度にはユネスコの外郭団体UNIMA米国支部・Center for Puppetry Arts(ともにアトランタ)Puppeteers of America(ミネアポリス)、Jim Henson Foundation(ニューヨーク)、University of Connecticut(コネティカット州)等への実地調査を行いたいと考える。

Strategy for Future Research Activity

本年度は、「米国オルタナティヴ演劇における身体および人形をめぐる実践―その政治性、芸術性」のテーマに沿って、合衆国の仮面・人形劇と人形芸術の系譜を明らかにするべく、1960年代以降現在までの前衛分野における広義の人形劇の展開を精査する。準備状況としては、60年代から生活者の視点から現代の祝祭的な人形劇を制作Peter Schumann率いるBread and Puppetとそこから派生しニューヨークを拠点に活動するGreat Small Works、登場人物を人形のようにセノグラフィーの一部として配置することで視覚効果を重視したRobert Wilson、アジアの人形劇の形式と技術を領有しながら作品を制作したLee BreuerおよびPing Chong、パレードや大道芸等コミュニティアートの形態を追究するRalph Lee、政治風刺のソロパフォーマンスが特徴のPaul Zaloom、人形芸術家Theodora Skipitares、2015年にMacArthur賞の受賞が決定したBasil Twist等の活動に注目し、資料を収集、検証する。調査の方法は前年度に準ずる。

Causes of Carryover

公務での出張が重なり、本研究で予定していた訪問実地調査のための出張期間を確保できなかったことが理由である。

Expenditure Plan for Carryover Budget

今後、本研究申請期間内に、米国の人形劇関連の団体および人形劇制作・人形師養成の制度についての基礎調査を行うとする予定が遅れている。そこで2017年度にはユネスコの外郭団体UNIMA米国支部・Center for Puppetry Arts(ともにアトランタ)Puppeteers of America(ミネアポリス)、Jim Henson Foundation(ニューヨーク)、University of Connecticut(コネティカット州)等への実地調査を行いたいと考える。

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Published: 2018-01-16  

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