2018 Fiscal Year Research-status Report
米国舞台芸術の理論と実践におけるサブジャンルの成立と発展―人形・仮面・演じる物体
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16K02483
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
戸谷 陽子 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (30261093)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | UNIMA / Jim Henson / Puppeteers of America / U of Connecticut, / Puppet Arts Program |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、アメリカ合衆国の現代前衛舞台芸術における身体・越境・テクノロジー、文化政策、芸術/教育制度の諸問題について、対象を人形・仮面等の「演じるオブジェ」(John Bell、2006)、すなわち広義の人形劇に特化し、合衆国に独自に展開した前衛舞台芸術形式および実践活動として、その美学的・政治的戦略、ジャンルの成立史と制度化に至る過程を検証し、包括的な考察を行うことで、前衛舞台芸術および現代アメリカ演劇史に出現したひとつのサブジャンルとして再定位を試み、今世紀の展開を標榜するための新たな学術的指標を提示することにある。
当初の計画は、平成30年度のテーマ「高等教育における人形芸術家の養成とネットワーク化」に沿って、合衆国内における人形劇を制度の観点からの検証を進める予定であったが、平成30年度は複数の疾病に見舞われ海外への出張がかなわなかったため、国内にて可能なリサーチを進めた。特に米国の人形劇関連の団体や博物館、人形劇制作・人形師養成の制度についての基礎調査を進めることとした。具体的には、ユネスコの外郭団体UNIMA米国支部・Center for Puppetry Arts(ともにアトランタ)Puppeteers of America(ミネアポリス)、Jim Henson Foundation(ニューヨーク)、University of Connecticut(コネティカット州)等の訪問調査の準備のための予備調査を行った。また、Great Small Works等ニューヨーク市を中心に活動する人形劇団と、中国および台湾の人形劇とのコラボレーションについても情報を収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者の疾病(腎臓結石および帯状疱疹)により、海外調査が実行できず、インタヴュー等の1次資料の収集が遅れている段階にあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度実施予定の調査を完了した上で、「世界演劇における人形劇とアメリカ演劇」をテーマに演劇と広義の人形芸術の境界往来は、合衆国独自の現象ではないが、大胆に他者の伝統技術を採用して新たな展開を生む合衆国のアーティストが、世界の他のどういった人形劇からインスピレーションを得ているかを調査する。 研究の最終年度を意識して、学術的な諸言説・理論を導入し、総括的な問題の把握・指標の確立を目指す。
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Causes of Carryover |
疾病により、当初計上していた海外調査に関する予算を使用することが不可能となったため。次年度にはこれを海外調査に充てて、予算を消化できる見込みである。
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