2018 Fiscal Year Research-status Report
アーミッシュ・コミュニティーを題材とする児童文学の作品分析と受容研究
Project/Area Number |
16K02486
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
大藪 加奈 金沢大学, 外国語教育系, 教授 (30283146)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大藪 千穂 岐阜大学, 教育学部, 教授 (10262742)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 児童文学 / アーミッシュ |
Outline of Annual Research Achievements |
この研究では、現代社会における宗教と児童文学の関係を、作品とその受容に焦点をあてて考察するものである。主な研究対象はアーミッシュコミュニティーを題材とした児童文学であり、受容研究としては、近年見られるデジタル言説についても分析を行う。アーミッシュ題材の作品の中には、アーミッシュやその他の再洗礼派を対象読者としている作品と、一般読者を対象としている作品があるので、それぞれに特徴的な主題や表現方法があるのか、記述や描写のされ方に差はあるか、比較分析する。
今年度は、作品の受容研究を行うためのYouth Studiesの手法に関する研究を主に行った。また、デジタルメディア上の子どもの言説の分析方法や、子どもと異文化の関係性についての研究もすすめた。また、アーミッシュ受容の研究として、昔風の生活や体を動かす活動と心の安定という面からアーミッシュの生活に関心をよせる読者の存在に注目し、禅やマインドフルネスとアーミッシュの関係についても考察し、アーミッシュを題材とした児童作品に現れる生活・活動と心の安定の描写を分析した。(2019年6月のAmish Conferenceで発表予定。)
研究成果としては、8月に開催された国際学会(IBBY 2018)における発表や論文発表の他に、国立民族学博物館文化資源共同研究員として、国立民族学博物館で平成30年4月18日から平成31年3月31日まで開かれた企画展「アーミッシュ・キルトを訪ねて」に協力した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は作品のテキスト研究だけでなく、Youth Studiesやデジタル言説研究も行えたため、研究の手法がより確かなものになった。ただ、2019年度の学会参加の旅費を確保するため、海外渡航を控えたため、予定していた合衆国ペンシルバニア州エリザベスタウンに移動したアーミッシュ図書館における資料調査は行えなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
2019年度は今回の補助金の最終年度となるので、6月のAmish Conference国際学会で成果を報告すると共に、論文の執筆も含めた成果発表に力を注ぎたい。
|
Causes of Carryover |
アーミッシュの国際学会が2019年度に開催されることが判明したため、2018年度の支出を抑えて2019年度の旅費にまわすことにした。2019年6月6-8日にアメリカ合衆国で開催される学会で発表することが決定している。
|
Research Products
(7 results)