• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2016 Fiscal Year Research-status Report

19・20世紀のイギリスと日本における近代化言説の文学・文化論的比較研究

Research Project

Project/Area Number 16K02489
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

伊勢 芳夫  大阪大学, 言語文化研究科(言語文化専攻), 教授 (80223048)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywords近代化 / 土着性 / 英領インド / 日本植民地 / 植民地文学 / 言説編成
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、19世紀以降イギリス、そしてアメリカを中心とする西欧によって築かれてきた世界システムが、中国やインドの台頭によって新たな展開を見せている世界情勢において、「近代化」の本質と「土着性」の変容を文学・文化論の視点から問い直す試みである。そのため、世界システム構築の中心的国家であったイギリスがインドに対して植民地政策を実施し、インド・インド人がそれにより変容していった過程と、日本の近代化、及び、日本の植民地下にあった地域の変容過程とをフーコーの知の考古学的手法によって分析し、イギリスの近代化モデルと日本の近代化モデルの相違点、及び脱植民地状況を明らかにすることで、従来、近代化=西洋化と考えられがちであった「近代化」概念を修正し、21世紀に適用できる「近代化」概念を構築する。
ロンドンの大英図書館において、英領インドと日本の支配下にあった「満洲国」に関する英語資料の収集・調査を行った結果、日本語資料からはわからなかった植民地政策の資料を発見した。特に「満洲国」や日本の中国大陸に対する政策についてのイギリス人の分析から、アメリカとは違った見方をしていたことが分かった。
本申請者が所属する大阪大学・言語文化研究科では、台湾、中国、ロシアからの留学生や、大学院修了後に研究・教育に携わっている者との連携を通して、本研究を遂行する体制が整っており、科学研究費補助金の採択を受けて本研究のための研究会「脱・ポストコロニアル研究会」を立ち上げ、本研究の扱っているテーマについての日本人以外の研究者の考え方を知ることができた。
国会図書館にて19・20世紀のイギリスと日本における近代化言説の文学・文化論的比較研究に関する資料・情報収集、資料閲覧を行い、GHQの占領政策の資料を調査し、言説的分析を行い、占領政策に関する知見を得た。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究の目的は、19世紀以降イギリス、そしてアメリカを中心とする西欧によって築かれてきた世界システムが、中国やインドの台頭によって新たな展開を見せている世界情勢において、「近代化」の本質と「土着性」の変容を文学・文化論の視点から問い直す試みである。
そのため、イギリス植民地、及び、日本の支配下にあった「満洲国」関係の英語資料の収集・調査を2016年8月9日~8月25日の期間、ロンドンの大英図書館において本研究に関する資料を閲覧し、情報を収集し、分析を行った。
本申請者が所属する大阪大学・言語文化研究科では、台湾、中国、ロシアからの留学生や、大学院修了後に研究・教育に携わっている者との連携を通して、本研究を遂行する体制が整っており、科学研究費補助金の採択を受けて本研究のための研究会「脱・ポストコロニアル研究会」を立ち上げた。また、研究協力者のバングラデシュ人のマムヌール・ラハマン教授と本研究に関して情報交換と、ラハマン教授には、平成29年2月16日から2月24日まで大阪大学の招へい研究員として上記の研究会で講演を依頼し、討論会にも参加してもらった。
国会図書館にて19・20世紀のイギリスと日本における近代化言説の文学・文化論的比較研究に関する資料・情報収集、資料閲覧を行った後、キプリング協会20回全国大会に会長として出席し、研究発表を聞くとともに意見交換を行った。

Strategy for Future Research Activity

本研究の目的は、19世紀以降イギリス、そしてアメリカを中心とする西欧によって築かれてきた世界システムが、中国やインドの台頭によって新たな展開を見せている世界情勢において、「近代化」の本質と「土着性」の変容を文学・文化論の視点から問い直し、その研究成果を著作として公表することである。
この研究の遂行にあたって、平成28年度に本申請者が所属する大阪大学・言語文化研究科の台湾、中国、ロシアからの留学生や、大学院修了後に研究・教育に携わっている者と本研究のための研究会「脱・ポストコロニアル研究会」を立ち上げた。平成29年度は、著作の構成案に沿って、各章の担当者が概要を作成し、研究会を開催して、それらの概要についてのディスカッションを行う。
研究協力者のバングラデシュ人のマムヌール・ラハマン教授と本研究に関してメールで情報交換を行うとともに、バングラデシュのイスラム大学とインドのビスバ・バラティ(Visva Bharati)大学(予定)で研究会を開催し、バングラデシュやインドの研究者との意見交換を行う。
国会図書館にて19・20世紀のイギリスと日本における近代化言説の文学・文化論的比較研究に関する資料・情報収集、資料閲覧を継続する。特に、GHQの占領政策の資料を調査し、言説的分析を行い、占領政策に関する知見を広げる。

Causes of Carryover

旅費に関しては当初計画通りの執行であったが、物品費については、探していた書籍が期間内に購入することができなかったので、次年度に持ち越すことになった。
人件費・謝金に関して、予定していた研究会が小規模になったことで予定した額より少なくて済んだ。

Expenditure Plan for Carryover Budget

平成29年度は、インドとバングラデシュでの研究会を予定しており、平成28年度の残金の一部をそのための旅費、会場費等に充てる。
平成28年度に購入できなかった書籍を、平成29年度中に購入する予定。

  • Research Products

    (1 results)

All 2016

All Book (1 results)

  • [Book] ポストコロニアル・フォーメーションズXI2016

    • Author(s)
      木村茂雄、霜鳥慶邦、小杉世、松本承子、舞さつき、伊勢芳夫、花井晶子
    • Total Pages
      76 (47-56)
    • Publisher
      大阪大学院言語文化研究科

URL: 

Published: 2018-01-16  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi