2018 Fiscal Year Research-status Report
バートルビーたち:「オフィス・フィクション」の諸相
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16K02496
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
小林 正臣 琉球大学, 教育学部, 准教授 (30404552)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Bartleby / Bartlebys / office / office fiction / Gothic / Kafka / The Man of the Crowd / Fight Club |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、オフィス・フィクションをめぐる研究論文を3本発表した。1本目は国際論文、2本目は国内論文、3本目は紀要論文としてである。
上記の論文が対象としている作家・作品はすべて異なる。そのように多様性を提示することで、本研究の副題ともなっている「オフィス・フィクションの諸相」を示すことが可能となった。特に国際論文において試論したように、オフィス・フィクションとゴシック小説の関係性を探ることで、オフィスをめぐる表象は、通常考えられている以上の議論領域であることを示すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度までに収集した資料を活用しながら3本の論文を作成し、無事にすべて掲載することができた。特に国際論文を発表できたことは大きな成果であり、研究の方向性が間違っていなかったことが実証された。
本来であれば最終年度であったが、一つのまとまった成果として示す時間を確保するために、延長を申請した次第である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでオフィス・フィクションの諸相として焦点を当ててきたのは、小説および映画であった。この他にも、絵画なども検討することで、より総合的に捉えていく予定である。例えば、エドワード・ホッパーの絵画(「夜のオフィス」、「ニューヨーク・オフィス」、「小さな町のオフィス」等)も小説の影響源として取り上げれていることから、注目していく。必要な場合は、ホッパーの作品集などを購入していきながら、研究成果をまとめていく予定である。
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Causes of Carryover |
研究成果を示すべき最終年度であったが、さらなる研究の方向性を発見したことにより、次年度まで延長することになった。
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Research Products
(3 results)