2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K02502
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
齊藤 園子 北九州市立大学, 外国語学部, 准教授 (70390466)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 英語圏文学 / 文化概念 / 文化的アイデンティティ / expatriate / ヨーロッパ表象 / アメリカ人表象 / 移住者植民地 |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年度に収集した資料の整理を行うとともに、資料収集を継続し、研究集会の機会を通じて意見交換・情報交換を進めた。19世紀から20世紀にかけて渡欧したアメリカ人作家や芸術家に関わる交友関係や影響関係についてより考察を深めることが可能になった。2018年度以降の資料収集、作品分析、考察に生かす予定である。前年度までの研究に基づく成果の一部は研究集会において発表した。延世大学校(韓国)で行われたヘンリー・ジェイムズ国際学会では、日本における現行のジェイムズ研究の成果を報告するセッションにおいて、新旧大陸を行き来するアメリカ人登場人物や作家自身の文化的アイデンティティのあり方とその現代性を考察する発表を行った。本学会は、欧州や米国からの発表者を交えて、韓国、中国、日本における現行のジェイムズ研究に関わる成果報告と意見交換が活発に行われる機会になった。日本アメリカ演劇学会第7回大会では、ヘンリー・ジェイムズとウィリアム・フォークナーの劇作に焦点をあてる2部構成のシンポジウムのうちジェイムズに関わるシンポジウムに参加し、「喜劇のアメリカ人―_The American_の小説と劇作をめぐる葛藤」と題して、ヨーロッパの周縁的存在として表象されるアメリカ人に焦点をあてる発表を行った。また日本アメリカ文学会第56回全国大会において、海外の研究者を招致して開催されたワークショップの司会を担当した。ワークショップでは本研究に関連する作品を含めて多数の作品が扱われたが、神経科学の知見を踏まえた文理横断的な作品分析が展開され、有意義な意見交換の機会になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2016年度の取り組みの成果を生かして、国内外の複数の研究集会において口頭発表を行った。2018年度に実施予定の資料収集に向けた準備も進めている。本研究はおおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度までの成果を踏まえて論文の執筆を進めるとともに、海外において資料収集を実施する。同時に、対象作品について文化的アイデンティティの概念やポストコロニアル理論を援用した分析を進める。
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