2019 Fiscal Year Research-status Report
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16K02502
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
齊藤 園子 北九州市立大学, 外国語学部, 准教授 (70390466)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 英語圏文学 / 文化的アイデンティティ / 文化表象 / 在欧アメリカ人 / expatriate / 移住植民地 / 文化の中間者 / グローバル化社会 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、渡欧アメリカ人に関わるヘンリー・ジェイムズによる初期の小説(原題:Watch and Ward)の訳出と点検を進めて『後見人と被後見人』(大阪教育図書)を出版した。本邦初訳であることもあって、関係資料の調査や情報の確認に時間を要したが、2019年度内での出版をみることができた。本書の巻末には注、解説文、関係画像と地図を掲載した。資料収集や現地調査はアメリカとヨーロッパの双方で行う必要があったが、本書はその調査と作品分析の成果を社会に還元するものである。そのほか、前年度までの研究に基づく成果の一部を国内外の学会で発表した。第8回ヘンリー・ジェイムズ国際学会では、本研究と関心の近い研究が同じパネルを共有した。他の発表者や参加者との間で情報交換を進める貴重な機会となった。また国内では、全国大会と支部大会とにおいて発表を行うことで関連分野の研究者との意見交換を進め、研究の精緻化を図った。学会における口頭発表の内容は論文としてまとめ、学術雑誌への投稿準備を進めている。また、2019年度までの研究成果の共有と、研究の一層の発展を図るため、2020年5月に開催予定だった日本英文学会全国大会における研究発表を計画して準備を進めた。学会はその後、開催方法が変更され、7月にウェブカンファレンスとして開催されることになった。合わせて、資料収集面でも計画を進めた。前年度までに収集した資料の整理を継続し、2019年度へと延期していた海外における資料収集を実施して、研究の遂行に必要な資料の充足を図った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度までの研究成果の発表や取りまとめを行いながら、引き続き、資料収集と作品研究を進めた。成果の一部として、渡欧アメリカ人に関わるヘンリー・ジェイムズの初期の小説について翻訳を出版することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年5月に開催予定で、その後、7月にウェブカンファレンスとして開催されることになった日本英文学会全国大会において研究発表を予定している。本発表も踏まえて研究の精緻化を図りながら、引き続き、本研究成果に関わる論文執筆を進める。合わせて、本研究に基づく発展的な研究についての計画策定を進める。
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Causes of Carryover |
研究の精緻化のために学会発表を追加した。2020年に開催の日本英文学会第92回全国大会における研究発表は審査を経て確定済みである。
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[Book] 後見人と被後見人2019
Author(s)
ヘンリー・ジェイムズ著、齊藤園子訳
Total Pages
255
Publisher
大阪教育図書
ISBN
978-4-271-31035-8