2018 Fiscal Year Research-status Report
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16K02503
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
古屋 耕平 神奈川大学, 外国語学部, 准教授 (70614882)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アメリカ文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度の研究実績は以下の通りである。 2018年6月、京都にて開催された2018年国際ポー、ホーソーン学会において、南北戦争に関するナサニエル・ホーソーンのルポルタージュ作品"Chiefly about War Watters"と十九世紀半ばの写真メディアの勃興との関係についての口頭発表を行った。2018年7月、ドイツ、ハイデルベルク大学のアメリカ研究センターにて開催された、2018年国際エマソン、フラー学会において、マーガレット・フラーによるヨーハン・ペーター・エッカーマン『ゲーテとの対話』のドイツ語原文テクストの英語翻訳に関して、特にフラーとエッカーマンの伝記的な側面に焦点を当てた発表を行った。 2018年12月、ハーマン・メルヴィルにおける翻訳と単一言語主義の意味を扱った英語論文を、合衆国の学術誌『ESQ』に発表した。また、2019年2月には、マーガレット・フラーの翻訳活動に焦点を当てた論文を共著本の一部として、2019年3月には、ナサニエル・ホーソーンの戦争ルポルタージュ"Chiefly about War Watters"と十九世紀半ばの写真メディアの勃興との関係についての論文を国内紀要よりそれぞれ出版した。 平成30年度内には、本研究課題に直接関係するトピックで、3本の論文出版と2本の国際学会発表を行い、全体としては概ね活発に研究成果の発表を行うことができたと評価できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度に予定していたマーガレット・フラーを中心する同時代の女性知識人の翻訳思想についての研究と、ハーマン・メルヴィル作品における翻訳や単一言語主義の問題についての研究を主に行った。研究実績の概要ですでに述べた通り、マーガレット・フラーの翻訳実践及び理論の研究について、特に専門家が多く参加した国際エマソン・フラー学会で発表を行ったが、そこで得られたフィードバックを元にした日本語論文を年度内に出版することができた。同時に、本研究課題の開始当初から取り組んでいたハーマン・メルヴィル作品における翻訳の問題についての英語論文についても、19世紀アメリカ文学研究の学術誌として合衆国内では評価の高い『ESQ』誌より出版することができた。他にも、ナサニエル・ホーソーンについての論文を一本完成させることができ、出版の点では成果の多い年度であったと言える。その一方で、学務との兼ね合いもあり、希望していた合衆国内の大学図書館や公共図書館における調査旅行を行うことができなかったため、リサーチの点では若干の課題を残した。しかしながら、全体としては、研究はほぼ順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度マーガレット・フラーのドイツ語テクスト翻訳についての英語論文を完成させる予定である。2018年7月にドイツ のハイデルベルク大学で開催される国際エマソン、フラー学会における発表と、同トピックの日本語版論文出版を通して、フラーと19世紀アメリカ文学における翻訳の意義に関して発表したが、そこから新たな論点が見つかったため、その点を踏まえたさらなるリサーチと英語論文の執筆を行う。また、ハーマン・メルヴィル作品における翻訳の問題については、英語論文の発表後、そこで詳しく論じることの出来なかった新たな論点が生じたため、これについても引き続きリサーチを続ける。同時に、以前に理論的な側面から研究を行っていたラルフ・ウォルド・エマソンにおける翻訳の概念についても、エマソンの手による、実際のドイツ語等、ヨーロッパ諸言語のテクストからの翻訳実践について、少しずつ研究を進める予定である。 現時点では、2019年5月に日本ホーソーン学会におけるワークショップ発表、同5月に韓国外国語大学における翻訳シンポジウムでの発表、6月にニューヨーク大学における国際メルヴィル学会での発表が予定されているが、いずれの発表でも、上に挙げた研究を進展させる上で、専門家からのフィードバックが期待される。また、進捗状況ですでに述べた通り、平成31年度には、本研究に必要な一次資料及び二次資料収集のため、合衆国内の大学図書館や公共図書館を訪れたいと考えている。
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Causes of Carryover |
当初予定の使用額を下回った主な理由としては、希望していた資料調査のための合衆国への滞在を行うことが出来なかったことが挙げられる。研究外の様々な学務によりまとまった時間を取ることが出来ず年度内の調査旅行は断念せざるを得なかった。平成31年度には、資料収集のための調査旅行を改めて実施する予定だが、時期については、やはり研究以外の任務の予定を確認しながら、調整することを余儀なくされるであろう。いずれにせよ、単年度ではなく複数年度の研究計画なので、トータルで最も効率的に研究が遂行できるよう、柔軟にスケジュールを組み直すつもりである。資料やその他の消耗備品等の購入については、概ね予定通り行った。今年度も、必要な図書や資料、消耗品等を随時購入する予定である。
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Research Products
(5 results)