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2016 Fiscal Year Research-status Report

フィッツジェラルド文学から読み解く人種と結婚のポリティクス

Research Project

Project/Area Number 16K02521
Research InstitutionFukuoka University

Principal Investigator

高橋 美知子  福岡大学, 人文学部, 准教授 (90389388)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywordsスコット・フィッツジェラルド / ホワイトネス / 結婚
Outline of Annual Research Achievements

2016年度の研究計画は、スコット・フィッツジェラルドの長編小説Tender Is the Night(『夜はやさし』)における人種と性、および結婚の問題を論文にまとめ、共著として出版することであった。
この計画に基づき、本年度は『ホワイトネスとアメリカ文学』(開文社 2016年10月)の原稿準備及び最終調整に従事し、編者・共著者と複数回の研究会を開催した。この論集には、論考「ダーク・ラヴァー、ホワイト・ガール―『夜はやさし』の人種と性」が収録された。
その他の研究成果としては、『福岡大学研究部論集:人文科学編16巻3号』(2017年1月)に論文「婚姻制度を超えて―『夜はやさし』のオルタナティヴな読みの可能性」を発表した。これは、『ホワイトネスとアメリカ文学』に収録された論考を発展させる形で執筆したものである。
また、2017年3月には、ゼルダ・フィッツジェラルド研究会を開催した。ゼルダはスコットの妻であり、小説家・画家・バレエダンサーであるが、彼女との関係はスコットの創作に深い影響を与えている。そのため、スコットの作品における結婚表象というテーマへのアプローチのひとつとして、ゼルダに関する研究が必要であると判断したためである。また、ゼルダの作品に関しては、極めて限られた先行研究しかない。新たにゼルダによる作品の研究(特に、結婚と人種の表象に関して)を研究計画に加えることで、フィッツジェラルド文学における人種と結婚を考えるうえで、より独自性の強いアプローチをとることができるのではないかと考えている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2016年度は、目標としていた共著の出版が実現できたので、おおむね順調に研究を進めることができたといえる。ただし、研究計画にあるアメリカでの文献調査を実施することができなかった。これは、幼児をおいて長期間自宅を離れることが難しいという家庭の事情によるものである。家族内での協力を得た上で文献調査を実現することを望んでいたが、身内の勤務状況や健康状態により、協力を得ることが難しかった。文献調査に関しては、2017年度以降に他の形のサポートを得るなどして、実施する予定である。

Strategy for Future Research Activity

2017年度にモダニズムとポピュラーカルチャーの関係をテーマとした研究書(共著)の出版が予定されているので、2017年度前半は、それに寄稿するスコット・フィッツジェラルドとゼルダ・フィッツジェラルドの短編小説を題材とした論文の準備に専念する予定である。また、2017年7月には日本スコット・フィッツジェラルド協会の全国大会のシンポジウム「ゼルダ・フィッツジェラルドとその作品」の講師およびコーディネーターを務めることになっており、その準備も並行して行っていく。2017年度前半はゼルダ・フィッツジェラルドを中心とした研究予定となっているが、「研究実績の概要」に記したように、ゼルダとその作品について理解することは、スコットの作品を理解することにも貢献すると考えられる。また、ゼルダの作品については先行研究が少なく、それ自体研究テーマとして価値あるものである。2017年度後半には、スコットのThe Great Gatsbyを題材とした論文の執筆準備に取り掛かる予定である。

Causes of Carryover

アメリカでの文献調査が実施できなかったため、旅費の支出が当初の予定より大幅に下回った。現地調査ができない分、日本で手に入る文献を購入するなどして、研究の進捗に大きな影響は出なかったが、その分を差し引いても余剰が生じたことが理由である。

Expenditure Plan for Carryover Budget

繰越金に関しては、これまで大学の出張費が不足して参加を諦めていた学会等に参加するための旅費とするか、今後研究会を開催する際に講師を招聘するために使用する予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2017 2016

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 婚姻制度を超えて―『夜はやさし』のオルタナティヴな読みの可能性2017

    • Author(s)
      高橋 美知子
    • Journal Title

      福岡大学研究部論集:人文科学編

      Volume: 16 Pages: 19-26

    • Open Access
  • [Book] ホワイトネスとアメリカ文学2016

    • Author(s)
      安河内英光・田部井孝次編
    • Total Pages
      356
    • Publisher
      開文社

URL: 

Published: 2018-01-16  

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