2019 Fiscal Year Annual Research Report
Gothic Revival and the Transition of Plant Representation in 19th-20th Century French Literature and Art
Project/Area Number |
16K02532
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
加藤 靖恵 名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (90313725)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 仏文学 / 中世キリスト教美術 / マルセル・プルースト / ジョン・ラスキン / 植物表象 |
Outline of Annual Research Achievements |
マルセル・プルーストの著作における植物のモチーフに関する単著をフランスのシャン ピオン社より刊行し,その中に9 世紀~20 世紀のフランス文学におけるゴシック・リヴァイヴァルの影響の考察の成果の一部 を発表した(5 月)。 これまでの研究成果を 2 つの国際学会(6 月フランス,9 月大阪) とフランス語圏研究者集会(名古屋)で発表した。その中で商店を当てたのは,ラスキンの植物表表象論における色彩論,さらに人物表象をめぐる宗教観の変遷の影響である。 11 月は名古屋大学にて,「ラスキンとフラン ス」と題した国際学会を主催,フランス,アメリカ,及び国内より,フランス文学,イギリス文 学,美学美術史の研究者を招聘し,加藤本人も研究発表を行った。海外からの招聘者とは今後とも研究協力関係を維持することになっている。学会の成果は2021年中にシャンピオン社より論考集として刊行することとなり,すでに契約を結び,編集作業に入っている。 また今後,植物学の専門分野の最新の研究成果もとりいれて,より幅広い文学と美術についての考察へと発展させるため,名古屋大学生命農学研究科の若手研究者と意見と情報交換を始めた。 6 月にはオクスフォードで, 1 月にはランカスターにて,ラスキンのデッサンと日記(草稿)の閲覧と資料収集を行った。特にカトリック美術の偶像崇拝的側面の批判,自然のモチーフの関するラスキンの考察に着目した。ランカスターでは閲覧できなかった資料もあるため,次年度以降も現地調査を継続する。
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